本文
平成31年2月定例会(第1号発議案)
平成31年2月定例会で上程された発議案
新潟県スポーツの推進に関する条例
第1号発議案
新潟県スポーツの推進に関する条例
上記議案を別紙のとおり提出します。
平成31年2月18日
提出者 小林 一大 石坂 浩 斎京 四郎
中村 康司 松原 良道 笠原 義宗
高橋 直揮 宮崎 悦男 青柳 正司
矢野 学 石塚 健 横尾 幸秀
皆川 雄二 冨樫 一成 佐藤 卓之
楡井 辰雄 小島 隆 佐藤 純
桜井 甚一 西川 洋吉 岩村 良一
金谷 国彦 早川 吉秀 尾身 孝昭
柄沢 正三 中野 洸 小野 峯生
帆苅 謙治 渡辺 惇夫 石井 修
三富 佳一 星野伊佐夫
新潟県議会議長 沢野 修 様
新潟県スポーツの推進に関する条例
スポーツは、県民の心身の健康の保持増進、運動能力の向上、精神的な充足感の獲得等に寄与するとともに、ふるさと新潟で育ったスポーツ選手のひたむきに取り組む姿と活躍によって、県民に夢と感動を与え、地域社会に活力を生み出すなど、大きな力を有している。
また、スポーツを行い、観覧し、又は支えることは、家族、仲間等との触れ合いはもとより、地域の連帯感を育み、希薄化した人間関係がもたらす様々な弊害を抱える現代社会において、その絆(きずな)を再構築するうえで欠かせないものとなっている。
このようなスポーツの果たす役割の重要性に鑑み、私たちは、スポーツが有する県民生活及び地域社会における意義について理解を深め、スポーツに関する施策を効果的に推進することにより、心身の健康の保持増進による県民の健康寿命の延伸、心豊かで活力に満ちた県民生活の形成及び地域の特性を生かした魅力ある社会の実現に取り組むことを決意し、ここに条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、スポーツの推進に関し、基本理念を定め、県の責務及びスポーツ関係団体等(競技団体、スポーツ産業の事業者その他のスポーツの振興のための活動を行う個人又は団体をいう。以下同じ。)の役割を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めることにより、スポーツに関する施策を効果的に推進し、もって心身の健康の保持増進による県民の健康寿命の延伸、心豊かで活力に満ちた県民生活の形成及び地域の特性を生かした魅力ある社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 スポーツの推進は、県、市町村、スポーツ関係団体等の適切な役割分担及び相互の連携並びに県民の理解と協力の下に、次の事項を基本として、行われなければならない。
(1)県民が生涯にわたり体力、適性、健康状態等に応じて、スポーツを行い、観覧し、又は支えることができ、その価値及び意義を実感できること。
(2)スポーツを通じて、心身の健康の保持増進による健康寿命の延伸が図られるとともに、スポーツを行う者の安全の確保に必要な配慮がなされること。
(3)スポーツを通じて、子どもの心身の成長の過程における体力及び運動能力の向上が図られるとともに、社会性、規範意識等が養われ、豊かな人間性が育まれること。
(4)障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮がなされるとともに、スポーツが障害者の自立及び社会参加を促進すること。
(5)スポーツ選手の育成、指導者の養成及び資質の向上、スポーツの施設及び設備の整備又は有効活用等競技水準の向上に資する環境の整備が図られること。
(6)豊かな自然環境を活用したスポーツの普及が図られること。
(7)スポーツを通じて、県民の一体感及び活力の醸成並びに人と人との交流の促進が図られること。
(県の責務)
第3条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、スポーツの推進に関する施策を実施する責務を有する。
(市町村への支援及び協力)
第4条 県は、スポーツの推進に果たす市町村の役割の重要性に鑑み、市町村が実施するスポーツの推進に関する施策について、必要な支援及び協力を行うものとする。
(スポーツ関係団体等の役割)
第5条 スポーツ関係団体等は、基本理念にのっとり、それぞれの実情に応じてスポーツの普及及び持続的発展の推進、競技水準の向上等スポーツの推進に資する活動に主体的に取り組むよう努めるものとする。
2 スポーツ関係団体等は、県及び市町村が実施するスポーツの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(県民の協力)
第6条 県民は、基本理念にのっとり、スポーツが有する県民生活及び地域社会における意義について理解を深め、県及び市町村が実施するスポーツの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第7条 県は、スポーツに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(生涯スポーツの推進)
第8条 県は、県民が生涯にわたり体力、適性、健康状態等に応じて、スポーツを行い、観覧し、又は支えることができるよう、多様なスポーツに参加する機会の確保、地域においてスポーツを行うための環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
(健康寿命の延伸)
第9条 県は、スポーツを通じた心身の健康の保持増進、体力の向上、疾病の予防等による県民の健康寿命の延伸に寄与するため、適切な情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
(安全で安心なスポーツの推進)
第10条 県は、県民が安全で安心してスポーツを行うことができるよう、スポーツにおける指導者その他指導的立場にある者による選手への暴力等の行為を防止し、並びにスポーツ事故その他スポーツによって生ずる外傷、障害等の防止及び軽減を図ることとし、スポーツの指導者等の研修の実施、スポーツにおける安全の確保に関する知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。
(子どものスポーツの推進等)
第11条 県は、体力及び運動能力の向上並びに社会性、規範意識等が養われ、豊かな人間性が育まれるよう、市町村、学校、スポーツ関係団体等、家庭及び地域社会と連携し、子どもがスポーツに積極的に参加することができる環境の整備その他の子どものスポーツの推進に関し必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、学校における体育及び運動部活動等の持続的発展の推進を図るため、地域の実情に応じた環境の整備、児童及び生徒の発達段階に応じた体育及び運動部活動等に関する指導の充実、地域におけるスポーツの指導者の活用その他の必要な施策を講ずるものとする。
(障害者のスポーツの推進等)
第12条 県は、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、その障害の種類及び程度に応じて、スポーツに参加する機会の提供、安全の確保その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、障害者の自立及び社会参加を促進するため、障害者の行うスポーツの普及に関し配慮するものとする。
(競技水準の向上)
第13条 県は、県のスポーツ選手(県内に活動の拠点を置き、又は現に居住し、若しくは居住していたスポーツ選手をいう。以下同じ。)がオリンピック競技大会、パラリンピック競技大会その他の国際的な規模のスポーツの競技会又は全国的な規模のスポーツの競技会において、健全な心身の下に優秀な成績を収めることができるよう、県のスポーツ選手及びその指導者の計画的な育成、ドーピングの防止、スポーツ医・科学(医学、歯学、生理学、心理学、力学、栄養学等のスポーツに関する諸科学をいう。)の活用その他の必要な施策を講ずるものとする。
(スポーツ施設等の整備又は有効活用)
第14条 県は、県民のスポーツを行う場の充実を図るため、市町村と連携して、スポーツの施設及び設備の整備又は有効活用に資する取組その他の必要な施策を講ずるものとする。
(自然環境を活用したスポーツの普及)
第15条 県は、豊富な積雪に加え、海、山、川等の多様な自然環境を活用したスポーツの普及のために必要な施策を講ずるものとする。
(県民の一体感及び活力の醸成等)
第16条 県は、スポーツを通じて、県民の一体感及び活力の醸成を図るため、県民と県のスポーツ選手等との交流、県のスポーツ選手又は県内に活動の拠点を置くスポーツチームが出場する競技会の観覧の機会の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、スポーツを通じて、人と人との交流の促進を図るため、スポーツの競技会の開催及び合宿の誘致その他の必要な施策を講ずるものとする。
(連携協力体制の整備)
第17条 県は、スポーツに関する施策を効果的に推進するため、県、市町村、学校、スポーツ関係団体等、県民等が意見を交換し、並びに相互に連携し、及び協力することができる体制を整備するものとする。
(公表)
第18条 知事は、毎年度、スポーツの推進に関し講じた施策の状況を取りまとめ、公表するものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(検討)
2 県は、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。