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にいがた県議会だより第72号(本会議質問2)
代表質問(12月5日)
長部登議員
(未来にいがた)
公債費の実負担額の増加に対する検証総括は
(問) 平山元知事時代の「財政健全化計画骨子(案)」で資金手当債に依存した財政運営は好ましくないと記述されていたことを考えると、これまでの財政担当責任者が将来の公債費の実負担の増加を本当に把握していなかったのか疑問である。仮に把握していなかったとして財政の専門家として許容できる範疇なのか、あるいは把握していながら忖度して言わなかったのか、言っても採り上げられなかったのかなど、平山元知事の「財政健全化計画骨子(案)」の策定に関わった財政担当責任者もいると思うが、どのように検証総括してきたのか所見を伺う。
(答) 公債費に対する交付税措置率の減少に伴い、公債費の実負担額が今後増加することについては、認識はされていた。
しかしながら、2017年2月の財政運営計画改訂時まで、高い経済成長率を前提として試算した県税収入の伸びが大きかったことなどから、今回のような財政状況の悪化は見通しておらず、中長期財政収支に与える重要な要素として認識されていなかった。
本来、公債費に対する地方交付税措置率の見直しによる将来的な実負担額の増加に備え、早くから資金手当債を含む地方債の発行抑制に取り組むべきであったと考えており、県として将来の見通しが十分ではなかったと認識している。
種苗(しゅびょう)法の改正は
(問) 政府が実施しようとしている「種苗法」の改正は、これまで原則自由だった、自家採種が原則禁止となると言われており、今後、代々自分の農地で自家採種した種子で栽培していた作物であっても、品種登録していなければ、自分のものではないとされることが危惧されている。国はそうはならないと説明するが、種苗法は種子法と一連のものでTPPがらみのものと考えており、関係者の疑念は消えない。この懸念の払拭のためにも、県として、在来品種の品種登録など農家を守るための対策が必要と考えているが所見を伺う。
(答) 近年、国内で開発された品種が海外に流出し栽培が広がっていることが問題となっており、国では、植物新品種の保護について有識者による検討を行い、先般、検討会のとりまとめ案を公表するとともに、その実現に向けて、来年の通常国会に種苗法の改正案を提出する予定と聞いている。
とりまとめ案では、種苗法に基づく登録品種の増殖は、自家増殖を含め、育成者権者の許諾に基づくことが示された一方で、在来品種などは、従来と同様に自家増殖を制限しないとされている。
県としては、種苗法の改正について今後の動向を十分注視するとともに、関係者の皆様に関連する情報をわかりやすく提供していきたいと考えている。
検証結果の報告時期は
(問) 検証総括委員会の池内委員長は2021年度中に報告をするとしている。その場合は2022年度6月知事選で判断を県民に仰ぐと言うことでいいのか伺う。一方で知事は、「1期目の任期中に結論が出なかった場合はどうするか」との質問に対して「(信を問うことは)できない。議論を尽くしてくださいとお願いしている。2年後までとか期限を区切ると必ず不満が残る。」と答え、今任期中の結論が出ないことも想定されている。その場合、仮に知事が再任され、任期途中に結論が出されれば当然にその時点で「職を賭して信を問う」考えであると受け止めていいか改めて伺う。
(答) 池内委員長は個人的見解として、検証期間の目処を述べられたものと承知している。
私としては、期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたいと考えており、検証期間は、委員会の議論の中で定まっていくものと考えている。
また、県民の意思を確認する方法、時期については、現段階で決めているわけではないが、私は信を問う方法が、最も責任が明確で重い方法であると考えている。