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令和元年12月定例会(請願第8号)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0242548 更新日:2019年12月9日更新

第8号 令和元年11月28日受理 厚生環境委員会 付託
基礎年金の改善と年金の毎月支給を求める意見書提出に関する請願
請願者 全日本年金者組合新潟県本部 委員長 稲葉正美
紹介議員 遠藤玲子君 佐藤浩雄君

(要旨)(1)2019年6月、「公的年金だけでは、老後の生活資金が2000万円足りない」とする金融庁審議会の報告は、多くの国民に衝撃を与えた。高齢者は「生活不安」、若い世代は「将来不安」となり、はからずも公的年金制度の脆弱性が明らかになった。
(2)2019年8月に発表された「財政検証」でも、基礎年金が30年で3割減となり、厚生年金の給付水準も2047年度には2割近く目減りすると報じられている。その要因は、年金給付が、マクロ経済スライドにより減り続けることにあるとされている。
(3)厚生労働省は、特例水準解消を名目に、2013年10月から15年4月の間に2.5%の年金減額改定を実施した。15年4月には、初めて「マクロ経済スライド」を発動して0.9%の年金減額改定をし、この間合わせて3.4%も減額改定された。更に、2019年度には、物価が1%増えたにもかかわらず、賃金の0.6%増を基準に、マクロ経済スライドで今年度分0.2%減と前年度見送られた0.3%減を合わせて0.5%を差し引いたため、わずか0.1%増の改定にとどまった。加えて、消費税増税、医療・介護保険料の負担増が続き、年金受給者の生活に大きな影響を及ぼしている。国民の年金不安をなくして老後の安心をつくるには、マクロ経済スライドによる給付削減の仕組みの見直しが求められる。政府も、マクロ経済スライドによる調整率改善のため、公的年金被保険者変動率のアップを目指して、厚生年金被保険者適用の枠を広げるための施策に取り組んでいる。
(4)年金は、そのほとんどが消費に回る。年金額の引き下げによる地域経済と地方財政への影響は大きく、自治体の行政サービスにも直結する大問題となっている。2015年ベースで新潟県内の年金受給者に支払われた年金額は、9,423億円にのぼる。当時の3.4%の減額改定だけでも年金受給者の収入は、年間320億円も減少している。それにともない、住民税は減少し、購買力は低下している。年金の減額改定で、生活保護世帯へ移行する高齢者も増えてきている。このような危機的状況を受けて、全国の政令都市20市が、「国民年金に関する要望書」を国に提出し、「公的年金制度そのものが高齢者や障害者の生活を安心して支えるものとなるよう、老齢基礎年金等の支給額を改善されるよう要望する。」「年金受給者の中には、毎月払いへの要望もあることを考慮しながら、引き続き年金制度の安定的な運営に向けて検討されるよう要望する」としている。
 ついては、貴議会において、次の事項を求める意見書を国に提出されたい。
1 若者も高齢者も安心して老後を暮らせるように、マクロ経済スライドの見直しを図り、老齢基礎年金等を改善すること。
2 年金の支給を、隔月支給から毎月支給に変更すること。


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