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令和4年6月定例会(請願第3号)
第3号 令和4年7月6日受理 産業経済委員会 付託
新潟地方最低賃金改定等に関する請願
請願者 日本労働組合総連合会新潟県連合会 会長 牧野茂夫
紹介議員 小島晋君 小山芳元君 重川隆広君 佐藤久雄君 渡辺和光君
(要旨)ウイルス禍は、日本経済はもとより労働者の暮らしや雇用に大きな影響を及ぼしたが、2022年春以降は3回目のワクチン接種の進展や、一人ひとりの感染防止に向けた努力により、現在の感染者数はおおむね落ち着いている。これに伴い経済・社会活動の正常化が進み、政府の各種支援政策等にも支えられ、経済は回復傾向にある。
そのような中で労使を代表する委員が出席する、新しい資本主義実現会議で議論され閣議決定された、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画の工程表では、「最低賃金については生計費、賃金、賃金支払い能力を考慮しつつ、その引き上げを図り、できる限り早期に全国加重平均が1,000円以上となることを目指す」としている。
本県の令和3年度地域別最低賃金は859円で全国平均とは71円もの差があり、また依然として都市部との格差が縮まらず、若者の人口流失にも大きく影響している。それは人手不足が深刻化する中で、県内勤労者の人材確保をさらに厳しくする要因となっている。
また最低賃金近傍で働く者の厳しい生活実態を直視し、生活水準の維持・向上の観点からも消費者物価上昇率を考慮した引き上げが必要となる。
今こそ「労働条件の改善を図り、もって、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに国民経済の健全な発展に寄与する」との最低賃金法1条の目的を果たさなければならない。
ついては、貴議会において、次の事項を求める意見書を関係機関に提出されたい。
1 新潟労働局及び新潟地方最低賃金審議会への要請事項
(1) 令和4年度の新潟地方最低賃金の改正と、次年度以降の改正について、従来から深刻化している本県の人材確保、全国との格差解消、国の度重なる全国加重平均1,000円以上を目指すとの方針を鑑み、新潟県も早期に1,000円を目指した引上げを行うこと。
(2) 特定最低賃金の改正に当たっては、特定最低賃金の目的である労働条件の向上、事業の公正競争を確保する観点から最低賃金より高い水準を確保する必要性やこれまでの経緯等を十分勘案して検討すること。
2 政府への要請事項
すべての労働者の処遇改善と、中小企業に対する更なる支援制度の充実と利用促進のため周知の強化を図り、安全で安心な暮らしの実現のための対策を行うこと。