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令和4年6月定例会(陳情第20号)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0506313 更新日:2022年7月19日更新

第20号 令和4年4月11日受理  総務文教委員会 付託

国民の祝日「海の日」を7月20日に固定化することを求める意見書提出に関する陳情

陳情者  海事振興連盟 会長 衛藤征士郎

(要旨)国民の祝日「海の日」は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」、ことを趣旨として、全国1,038万人の署名・約2,300に及ぶ地方議会の決議を経て平成7(1995)年に制定され平成8(1996)年から施行されている。
 「海の日」は、昭和16(1941)年に制定された「海の記念日」を基に制定された。「海の記念日」は、明治9(1876)年に明治天皇が東北地方に巡幸した際、灯台視察船「明治丸」で航海し、同年7月20日に横浜港に無事入港されたことを記念して制定されたものである。
 また、第1回海の日である平成8(1996)年7月20日は、世界の海洋秩序を定めわが国の排他的経済水域(EEZ)200海里の根拠となる「国連海洋法条約」がわが国において発効した日であり、平成19(2007)年7月20日は「海洋基本法」が施行され、わが国が新たな海洋立国を目指すことを宣言した日でもある。
 このように、当初「海の日」とされた7月20日は海洋国家日本の礎となる記念すべき日であり、「海洋国家日本を宣言した日」である。
 しかるに平成15(2003)年以降、いわゆるハッピーマンデー制度により、「海の日」は「7月の第3月曜日」になり、毎年その日にちが変動する祝日となってしまった。
 わが国は国連加盟193カ国のなかでいち早く「海の日」を国民の祝日とした唯一の国である。「海の日」の制定趣旨を顧みれば、海を通じて人的・文化的交流を図り、経済活動を行ってきたわが国にとって7月20日を「海の日」として国民の認識を得ることは海洋国家として当然のことと考える。われわれ海事振興連盟は、海の日を7月20日に戻し、わが国を改めて名実ともに海洋国家といえる存在とすべく、議員提案としてその成立を期することとした。
 かつて7月20日から31日までを「海の旬間」とし、各地方自治体において様々な行事が活発に開催されていたが、ハッピーマンデー化以降は「海の旬間」が設定できなくなり、地方自治体による行事も活発に開催されているとは言い難い状況となった。「海の日」のイベント開催は年に一度わが国の平和と安全また海の資源を守り、海に働く人々に国民の目を向けてもらう日であった。「海の日」が7月20日に固定化されれば、地方自治体が行う年間行事における海の日関連行事の位置づけが明確となり、各種行事が活発に開催され、国民の目が海辺の町、海に係わる産業やそこで働く人たちに向けられ、後継者になろうとする人たちの増加につながるものと期待される。ハッピーマンデーは観光振興等に相応の効果をもたらしたと考えるが、「海の日」に関しては、全国の多くの公立学校が夏休みの開始日を7月21日としていることを考えると、7月20日に固定化した方が夏休みと絡めて連休の効果が大きいと考える。
 また、2008年の国連総会において、「海を讃え、海洋の恵みを賛美し、またその本来の価値に感謝するため」、2009年以降6月8日を「世界海の日」とすることが決定され、毎年6月8日に国連や関係国で記念行事が開催されている。
 政府が標榜する「自由で開かれたインド太平洋」を例にあげるまでもなく、政治・経済さらには地球環境問題において、今ほど「海」がクローズアップされている時代はない。これら課題について、わが国が率先して積極的に問題提起を行う場合、海の日が毎年変わるようでは、諸外国から見て軸の定まらない国として映るに違いない。
 四面を海に囲まれたわが国は海なしでは成り立たない。海から大きな恩恵を受けると同時に、様々な影響も受ける。海に生かされている、と同時に海と共に生きる、すなわち海と共生している国民であるとも言える。
 「海の日」を7月20日に固定化することにより、国民の一人一人が海をめぐる様々な状況に思いを馳せ、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という「海の日」の趣旨に思いをいたす機運を盛り上げることが極めて重要であると思っている。
 ついては、貴議会において、地域振興の見地からも、国民の祝日「海の日」を7月20日に固定化することを求める意見書を内閣総理大臣に提出されたい。


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