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令和7年12月定例会(第29号発議案)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0791230 更新日:2025年12月22日更新

令和7年12月定例会で上程された発議案

クマ被害対策等に関する意見書

第29号発議案

クマ被害対策等に関する意見書

  上記議案を別紙のとおり提出します。

   令和7年12月22日

    提出者  厚生環境委員長  小山 大志

 

新潟県議会議長  青柳 正司 様

 

クマ被害対策等に関する意見書​​

 近年、全国的にクマによる人身被害が増加し、令和7年度は出没件数、人身被害者数、死亡者数のいずれも過去最多水準に達している。特に東北・北陸地方を中心に、市街地や農地への侵入事例が相次ぎ、郵便・宅配業務の停止や農業被害など、生活・産業への影響も深刻化しており、本県においてもクマによる人身被害が多数生じ、県民の不安が非常に高まっている。
 こうした事態を受け、令和7年9月から人の日常生活圏において銃器を使用した捕獲等を行うことを可能とする「緊急銃猟」制度が創設されたほか、政府は、同年11月14日の関係閣僚会議において「クマ被害対策パッケージ」を決定した。その中で、緊急対応として警察によるライフル銃使用や自衛隊OB・警察ОB等への協力要請、短期施策として春期の捕獲強化や「ガバメントハンター」の人件費・資機材等支援、中期施策として個体数管理の徹底と生活圏からの排除に向けたガイドライン改定、人材育成・確保などを盛り込んだところであり、年度内には地域ごとの捕獲目標を明記した「クマ対策ロードマップ」を策定し、補正予算を活用して実効性ある対策を推進する方針となった。
 しかしながら、クマの駆除については、クマの行動特性に加え、銃器の扱いや銃の弾道、銃を向けた先の安全確保、バックストップの有効性などについて専門的な知識と経験、高度な技術が必要であり、警察官等が緊急的に研修や訓練を受けただけで的確な駆除ができるのかは疑問である。
 また、協力従事するハンターに緊急銃猟従事中の事故があった場合でも、統一的な補償制度はない上、刑事責任や行政処分の発生する恐れがあることも大きな課題である。
 一方で、イノシシについても、生息域の北方拡大により、農作物被害が、これまでなかった地域だけでなく、既に対策を講じている地域においても増加するなど、有害鳥獣の生息密度が高まっており、鳥獣被害防止総合対策交付金については、これまでの予算措置では十分な対策を実施できない状況となっている。
 よって国会並びに政府におかれては、総合的な野生鳥獣管理施策と適正な個体数管理を持続させていくため、以下の事項について実現を図ることを強く要望する。

1 クマ対策における緊急銃猟の意義と実態、現場に即した組織の在り方及び担い手の育成・確保について早急に検証し、対策に万全を期すこと。
2 緊急銃猟従事中の事故について、ハンターに責任が及ぶことのないよう、法改正や補償制度の確立に取り組むこと。
3 ハンターの育成支援制度を整備し、そのための十分な予算を確保すること。
4 クマの駆除に要する資機材の整備・支援については、直ちに対応すること。
5 県及び市町村が実施する生活圏へのクマの出没防止の取組や個体数管理等を進めるため、指定管理鳥獣対策事業交付金及び鳥獣被害防止総合対策交付金によるなお一層の対策の充実・強化に取り組むとともに、捕獲活動の負担に見合った支援が可能となるよう十分な予算を確保すること。
6 イノシシについては、地域の生息状況に応じた一層の管理が図られるよう、十分な予算を確保するとともに、指定管理鳥獣対策事業交付金の交付割合の更なる引上げを行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

​   令和7年12月22日

新潟県議会議長  青柳 正司

  衆議院議長  額賀 福志郎 様
  参議院議長  関口 昌一 様
  内閣総理大臣  高市 早苗 様
  総務大臣  林 芳正 様
  財務大臣  片山 さつき 様
  農林水産大臣  鈴木 憲和 様
  環境大臣  石原 宏高 様
  内閣官房長官  木原 稔 様​


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