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5月9日の教育施策等方針説明会で、「中越教育事務所管内の状況と課題解決の取組」について説明いたしました。
1 学力向上
(1) 学校訪問(授業改善支援訪問、重点教科訪問、要請訪問)
授業改善支援訪問では、授業公開を基にした研修会を通じて、「主体的・対話的で深い学び」の実現を図る授業改善の取組を支援します。
重点教科訪問では、希望する市町村教育委員会管内の中学校で、希望教科に応じて、授業研究を中心とした中学校教員の指導力向上を図ります。
要請訪問では、指導案検討、模擬授業、研修テーマに関わる講義・演習、県小学校教育研究会や県中学校教育研究会、市町村教育研究会、校長会、教頭会等の各種団体の主催する研修会での指導・助言を行います。
(2) 授業改善
昨年11月に管内の全学校に配付した「授業改善リーフレット2022」では、「授業改善リーフレット2021」で取り上げた指導と評価の一体化に関して、形成的評価をより具体化した国語と算数の指導案例が掲載されています。リーフレットを校内の授業研修で活用し、日々の授業改善に生かしてください。
2 生徒指導の充実
(1) 学校組織体制の構築
生徒指導に関する事案への対応は、組織対応が大切です。いじめや虐待の早期発見に向けて、日常の児童生徒の健康観察の重要性を全教職員が理解し、児童生徒の小さな変化に気付く感性を磨くこと、日常的に情報が円滑に共有される連絡体制を構築することなど、管理職のリーダーシップの下、定期的な点検をしながら、緊急時に迅速な対応ができる組織体制を構築してください。
(2) 児童生徒の相談体制の充実
スクールカウンセラーによる教育相談、スクールソーシャルワーカーによる福祉的サポート、スクールロイヤーへの法律相談、生徒指導お助け隊による生徒指導の校内研修を有効に活用するなどして、チームでの対応の充実を図ってください。
(3) 教職員の法令理解の促進
いじめの定義を限定解釈せず、「いじめ防止対策推進法」の定義に基づき、いじめの発見を認知に結びつけることが重要です。いじめの定義を理解する事例研修会の開催や、いじめの報告体制の整備と点検、報告しやすい雰囲気づくりをお願いします。「児童虐待防止法」では、学校には、虐待の疑いがあった時点で関係機関に通告する義務があります。虐待事実が明らかでなく、通告・通報が誤りでも責任を問われることはありません。子供の命を守ることを最優先し、迷わず通告願います。
3 人権教育、同和教育
(1) 同和教育の確実な実施、年間指導計画の確実な作成
県では、「同和問題の解決なくして真の人権が尊重される社会は実現しない」という基本的な立場に立っています。また「部落差別解消推進法」を根拠として、全ての学校で同和教育を推進することが義務付けられています。年間指導計画を確実に作成するとともに、中学校区単位で共有を図って、取組を着実に進めてください。
(2)「新潟県人権教育基本方針実践のための教職員研修の手引き」の活用
令和4年3月に「新潟県人権教育基本方針実践のための教職員の手引き」が改定されました。校内研修等で活用するなど、教職員への周知をお願いします。
4 道徳教育
(1) 教育活動全体で行う道徳教育
道徳教育は、学校の教育活動全体で行うものです。各教科等の指導を通じて、児童生徒の道徳性を養います。様々な場面において、具体的な道徳的習慣や道徳的行為について指導願います。道徳の全体計画等の見直しを行ってください。
(2) 「考え、議論する道徳」における指導と評価の一体化
道徳教育の要である道徳科では、「考え、議論する道徳」の実践が意欲的に行われています。児童生徒がいかに成長したかを積極的に受け止め、認め励ます個人内評価は、内容項目ごとでなく、大くくりなまとまりを踏まえ行ってください。また児童生徒の交流や記録の蓄積として、一人一台端末を活用願います。文部科学省ホームページに、道徳科でのICT活用に関する動画や資料が掲載されています。
5 教職員の事故
R3年度 | R2年度 | R1年度 | |
総数 | 96件 | 87件 | 81件 |
懲戒処分(免職) | 7件(1件) | 6件(0件) | 7件(2件) |
交通事故(加害) | 6件(4件) | 11件(5件) | 7件(7件) |
令和3年度、教職員の事故発生総件数は、前年度より9件増加しました。 交通加害事故は減少傾向ですが、交差点右折時での横断歩道上の歩行者への衝突事故、脇見運転による追突事故、速度超過違反が発生しました。十分な安全確認を行い運転に集中すること、潜在危険への想像力を働かせた「かもしれない運転」の励行を徹底するようお願いします。
懲戒処分事案は7件(免職1件)でした。職員間で、互いの言動や児童生徒との距離感などに気を配るなど、同僚性の高い職場づくりをお願いします。
(2) 非違行為根絶に向けた取組の推進
非違行為根絶のために、各学校で様々な研修や取組を工夫していると伺っております。今後も、「非違行為根絶に関する年間研修計画」を改善しながら、職員一人一人の心に届く取組を継続していただくようお願いします。
6 地域とともに歩む学校づくり
(1) 地域と学校の連携・協働体制づくり
コミュニティ・スクールは、すでに管内10市町村では完全導入済みであり、今年度は3つの市でモデル校やパイロット校を決め、導入に向けた事業を進めています。学校が抱える課題の解決や、子供たちの豊かな成長のために、持続可能な体制を作り、地域と学校で目標を共有し、相互補完的に連携・協働していくことが大切です。
(2) 地域と学校の連携・協働に係る研修会
「地域連携研修会」「地域連携コーディネーター等研修会」「地域とともにある学校づくり研修会」「新潟県コミュニティ・スクール研修会」を開催します。多くの市町村・学校関係者の参加をお願いします。地域との連携 ・協働に係る校内研修の実施や、教育計画への地域連携担当教員の位置付けなどを適切に進めてください。
(3) 社会教育主事講習
夏季休業期間中に信州大学で実施されます。社会教育主事講習への積極的な参加を促したり、社会教育主事の有資格者を地域連携担当教員に充てたりしてください。
7 教職員旅費の効率的執行
4月18日付けで年間配分額を通知済みです。管理職が主体的に関わり、配分の枠内での執行を意識し、年間を見通した出張計画立案や、可能な範囲での節減、執行状況の確認など、各学校における適切な執行をお願いします。
令和4年5月30日
中越教育事務所長 長谷川 晋
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