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長岡市栃尾大野町地内で実施されている天神山急傾斜地崩壊対策事業を紹介します。
本事業は、長岡市栃尾大野町地内において、土砂災害(がけ崩れ)対策工事を実施しています。天神山地区は、がけ高さ約40m、斜面勾配30~50°、延長約600mの急傾斜地崩壊危険区域です。斜面には段丘堆積物が分布し、平成16年中越地震や平成23年新潟・福島豪雨では、斜面崩壊や落石被害が発生しました。今後も豪雨等によるがけ崩れ被害が発生するおそれがあります。
保全対象は、がけ下の人家や災害時の避難所に指定されている栃尾南小学校・秋葉中学校および栃尾美術館などの公共施設です。
本事業で、がけ崩れを防ぐ法枠工や崩壊した土砂を受け止める待受擁壁工などの土砂災害(がけ崩れ)対策を実施し、人家や公共施設を保全することで、民生の安定を図ります。
本事業の対象斜面は、下図の赤色で示された範囲です。また、黄色で示された範囲は、がけ崩れによる被災が想定される範囲で、これらの範囲にかかる人家や学校などの公共施設を保全します。
全体事業費:980百万円
事業期間 :H21~R04
主な対策内容 :吹付法枠工、ロープ付鉄筋挿入工、待受擁壁工
がけ崩れ対策として、斜面には、がけ崩れを防止する『吹付法枠工』や『ロープ付鉄筋挿入工』、斜面下には、崩壊土砂を受け止める『待受擁壁工』を設置します。
吹付法枠工は、斜面にモルタル製の連続した格子状の法枠を設置することで、斜面の安定を図る工法です。また、枠内を緑化することで周辺環境との調和を図り、防災と環境の保全を図ります。
ロープ付鉄筋挿入工は、斜面に鉄筋を挿入し鋼製のロープを展開することで、斜面の崩壊を防止する工法です。斜面上の木の伐採を最小にできるため、環境負荷が小さい工法です。
待受擁壁工は、コンクリート製の擁壁と鋼製の柵が崩壊した土砂を受け止めることで、がけ下の人家を保全します。
吹付法枠工は、人が斜面にロープでぶら下がりながら各作業を行います。この工法は、凹凸が多い斜面でも地山に密着させて施工することができます。
法枠工を設置するために、斜面に生えている木を伐採します。
斜面を清掃し、後で施工する吹付法枠や植生工の土台となるラス金網を地山の凹凸に合わせて設置します。
斜面上にモルタルを吹き付けるための金網製の型枠を設置し、型枠の内側に鉄筋を配置します。
型枠内に吹付機でセメントと砂と水を混ぜてつくったモルタルを吹き付けながら法枠をつくります。
枠内にモルタルと同様に吹付機で、植物の種が入った植生基材を吹き付けます。
きれいな格子状の法枠工はまさに職人技です!