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水稲の有機栽培の成否は、水田内の雑草対策で決まるといっても過言ではありません。
農業総合研究所では、省力的かつ効果的な雑草対策技術として表層撹拌型除草機を開発しました〔特許出願済み(特願2019-48492)〕。
農業総合研究所で開発した表層撹拌型除草機です。
ナイロン製の細棒をブラシ状に差してあります。
この除草機を水田の畦畔の両側から交互に引っ張り、ブラシで田面の表層を撹拌することで、雑草を除去します。
除草作業に2人必要という欠点はありますが、水田の中に入る必要がないので、肉体的な負担は従来のチェーン除草や竹ぼうき除草等より軽くなります。
除草作業時間は10aあたり約30分です。田植え3日後から、3日ごとに約3週間除草を行います。
田植え(5月27日)から14日間、除草を行っていない水田の写真です。
稲株の間から無数のヒエが顔を出し始めています。
上の写真の拡大図です。
あと2週間も経てば、無残な状況になっていることが容易に想像できます。
上の写真の水田で、水を抜いた田面の写真です。
ヒエだけでなく、コナギもびっしり生えてきています。
こちらは、田植え3日後から4回除草を行った水田の写真です。
稲株の間にヒエは確認できません。
除草した水田で水を抜いた田面の写真です。
雑草がほとんど生えていないことから、除草機の効果が確認できます。
この除草機は小~中規模(10~50a)で水稲有機栽培に取り組む生産者向けの技術で、「株式会社YARUSHIKA」で購入できます。
農林水産省が令和3年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」において、2050年までに目指す姿として「耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%に拡大する」ことが示されており、有機農業の必要性が今後ますます高まっていくことが考えられます。
新潟県農業総合研究所では、今後も生産者が取り組みやすい有機農業技術の開発に取り組んでいきます。
このほか、基盤研究部の研究概要はこちらからご覧ください。