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Q1-1 鉄筋コンクリート壁のひび割れの貫通について
ご質問1
全号機、全施設建屋で5号機と同様なひび割れの深さを調査させる必要があるのではないか
ご質問2
補修のため樹脂を充填したから貫通していない事が分かるというが、なぜひび割れの深さが分からなくて、充填されたと分かるのか
ご質問3
1号機のひび割れ調査の状況を県は確認、検討しないのか
ご質問4
一番古く、一番大きな揺れを受けたことを考えると、貫通を含むひび割れの深さ測定は当然すべきである
ご質問5
樹脂注入等による補修結果からひびわれは貫通してない、と説明されたがその根拠はなにか
ご質問6
ひび割れの深さと、補修後のコンクリート強度テストが必要ではないのか
回答
東京電力(株)からは、以下のとおり説明がありました。
- 1号機で見つかったひびのうち、壁の表裏に同じような形でひびがあり、一番貫通している可能性の高いところのひび割れの深さ測定を行ったところ、深さは5cm程度(壁厚は100cm)でした。
- 地震によって生じた可能性のあるひび割れは全て補修し、エポキシ樹脂を注入してところで裏面から樹脂が漏れ出たところはなく、貫通しているひび割れは無いと評価しています。
- エポキシ樹脂がごく狭いすき間まで入ることは7号機で実際に補修を行った後のコンクリート壁を抜き取り確認しています。
これに対し、技術委員会では、耐震工学(建築)を専門とする委員から、
- 原子力施設の鉄筋コンクリート壁において壁の強度は鉄筋コンクリート内部の鉄筋だけで負担するように作られています。このため、鉄筋の周りのコンクリートにひび割れが生じ、仮にひび割れが貫通していても内部の鉄筋に問題がなければ(塑性変形(※)を起こしていなければ)強度に問題はありません。
- 内部の鉄筋に問題が生じているような場合、鉄筋は延びてしまっていますので、コンクリートのひび割れが大きくなります。このため、コンクリートのひび割れ幅で内部の鉄筋の状態を確認することが鉄筋コンクリート壁の点検方法になります。過去の実験データなどからコンクリートのひび割れ幅が1mm程度以下であれば、内部の鉄筋に問題が生じることはなく強度もほとんど変わらないことが確認されています。
- ひび割れをそのままにしておくとひび割れから水などが内部に浸入して鉄筋に腐食が生じることがあるので補修は必要となります。このためひび割れにエポキシ樹脂を充填する方法が一般的な補修方法とされています。
との意見があり、議論の結果、東京電力(株)の対応に異論はなく、建物・構築物の健全性が確保されていると判断されました。
※塑性変形:変形を引き起こしている力を取り除いた後、元に戻らずに残っている変形のこと。
技術委員会の「1号機の設備健全性及び耐震安全性の評価」はこちらをご覧ください
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