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山小屋への物資輸送の救世主?~妙高市「高谷池ヒュッテドローン燃料輸送」~2(新潟の未来図鑑withデジタル)
無限の可能性!
佐藤 Lteが活用できるとなるといろいろと応用できそうですね。自動運転バスと同じ技術ですが、画像を認識させて、GPSと地図データを活用した自律飛行ができるようになると活用の幅が広がると思います。
山川 実は、令和5年度と今年度に避難所へ物資を運ぶ実証も行っています。今年度は、高谷池ヒュッテへの燃料輸送と同じドローンを使用して30kgの米袋を吊るして輸送しました。実際に米袋が空を飛んだときは、迫力がありました。
佐藤 実証に係る申請などは、結構大変ではなかったですか?
山川 手続自体は、今回の委託業者であるKddiスマートドローン株式会社にすべてやっていただきました。現在行っているドローンの事象事業は、令和3年度から5年計画で地方創生推進交付金を活用していて、ドローンを地元の新しい産業として育てていくことを目標としています。来年度の実証の際は、地元企業にも参加いただき、申請手続なども含めてドローン運用に係るノウハウの取得につなげたいと考えています。
佐藤 夏はパラグライダーなどレジャーに係る飛行などもあると思いますが、ドローンの飛行に当たって注意すべきことはありますか?
山川 3点ありますが、1点目は登山道なども含め、人の上を飛ばすことができない。2点目は、無人飛行の場合、飛行高度が150メートル以下である必要がある。今回の高谷池ヒュッテへの燃料輸送の際は、地形の関係から飛行高度約300メートルくらいのところも飛んでいます。それから3点目は、濃霧の時は、飛行させられないことです。
佐藤 そうなんですね。濃霧の時は難しいのは分かりますが、飛行高度の問題などドローンの普及には、安全性の確保は重要としても、更なる規制緩和も望まれるところですね。輸送経路の中間地点にドローン基地を設置するのはどうですか?
山川 ドローンの基地の設置については取り組んでみたいと考えていますが、来年度は予算を確保していないので、まだ先の話になると思っています。笹ヶ峰のあたりは、サルも有害鳥獣に指定されており、基地を利用して鳥獣を見張るということもできるので、魅力を感じています。
佐藤 ドローンのドックがあれば、ドック周辺にカメラを設置して有害鳥獣を監視するとか、飛行中に機体に異常が発生したときに強制的にドックに誘導するとか、使用しないときはドックに待機させて、災害発生時にがけ崩れなどの被害調査とか、山岳事故の際の捜索など、幅広く活用できると思いますよ。山岳事故で考えるとやっぱり冬場の方が多いと思うのですがこのドローンは冬場も飛べるのですか?
竹内 冬場の方が遭難者も多いので、活躍してほしいところですが、残念ながらほとんど飛行できる日はないです。
佐藤 このドローンですけど、ヒュッテへの燃料輸送以外の利用方法はどういったことを予定しているのですか?
竹内 長野県伊那市で買い物弱者への対応としてドローン物流を行っているが、同じような形で日常的に利用できるといいと思っています。