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ハンセン病について
知っていますか?ハンセン病
ハンセン病とは
○ハンセン病は、「らい菌」による感染症ですが、「らい菌」はきわめて感染力の弱い細菌なので、乳幼児など抵抗力の弱い人が繰り返して接触しなければ感染しません。また、感染した場合でも、発病することはまれです。(遺伝する病気ではありません。)
○適切な治療のなかった時代には、自然に治ることもありましたが、発病にいたった例では、末梢神経がおかされることにより、顔や手足などにいろいろな形の障害があらわれ、その結果、ハンセン病に特有な変形を残すことがありました。
○この変形と機能障害が、ハンセン病を必要以上に恐れさせてしまったのです。
○現在では、適切な治療方法が確立されているため、複数の薬を使用することで、障害を残すことなく治ります。
正しい知識を持つことが、ハンセン病に対する偏見・差別をなくすことに繋がります。
○遺伝する病気ではありません。正しい知識が必要です。
○ハンセン病は、非常にうつりにくい病気です。
○治療法が確立しており、完治する病気です。しかし、今も偏見や差別があります。
隔離政策の歴史
○上の説明のとおり、ハンセン病患者を隔離する必要は全くなかったのですが、日本では古くから、体の変形などのために特殊な病気として扱われ、施設への入所を強制する「隔離政策」が行われてきました。この「隔離政策」は、昭和28年に改正された「らい予防法」でも継続され、さらに、昭和30年代にハンセン病に対するそれまでの認識の誤りが明らかとなった後も、改められませんでした。
○これは、平成8年に「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されるまで続いたのです。
○また、療養所の中では、入所者を断種させたり、子どもを強制的に中絶したり、入所者を監房に閉じ込めるなど、強制隔離のほかにも人権侵害がありました。
○このような政策にハンセン病患者らは、国を相手として訴えを起こし、その結果、平成13年5月、熊本地方裁判所は、国が長い間、隔離政策を廃止せず、適切な対応を行わなかった責任を認める判決を出し、国も控訴を断念しました。
○その後、元患者の方々へおわびし、新たに補償を行う法律を作り、名誉回復、社会復帰支援およびハンセン病問題の啓発活動に取り組んでいるところです。
ハンセン病元患者の方々の今
○現在、日本には国立・私立を合わせて14か所のハンセン病療養所があります。設置当初は隔離が目的であったため、その多くは交通の不便なところにあります。
○約720人の元患者の方々が、今も全国の療養所に入所しています。療養所を退所し、社会復帰をした人もいますが、その数は決して多いとは言えません。
○ハンセン病が治ったにも関わらず、故郷に帰ったり、社会に復帰したりすることを難しくさせているのは、長い間隔離されたままに高齢を迎えざるを得なかったことによる様々な事情と、ハンセン病に対する偏見や差別への不安があるからです。
○例えば、ハンセン病元患者であることを理由に、ホテルの宿泊を断られるという事件が起こり、また、この報道を受けて、元患者に対してのいわれのない誹謗中傷が行われたことがあります。
○平成20年6月に「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」、令和元年11月に「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が制定され、新たな段階を迎えた今、このような元患者の方々や家族に対する偏見や差別をなくすために、私たち一人ひとりが、この問題は人権問題であることを正しく理解し、ハンセン病やそのたどってきた歴史について正しい知識をもち、解決のために努力していく必要があります。
新潟県藤楓協会について
○新潟県藤楓協会は、昭和43年の設立以来、県民のハンセン病に対する正しい知識の普及に努め、各療養所で入所生活を送られる県出身者への支援を行っています。
主な事業
里帰り支援
○県出身入所者がいつでも故郷に帰ってきていただけるように、里帰りを支援しています。
施設訪問
○県出身者が入所生活を送られる療養所を訪問し、県出身者との交流を行っています。
県人会への支援
○県人会(各療養所における県出身者の集まり)の活動に対し、支援を行っています。
普及啓発
○パンフレットを学校、市町村、医療機関等に配布し、ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発に努めています。
○ハンセン病に関するDVDを地域や学校に貸出し、ハンセン病に対する理解を深め、偏見・差別の解消に努めています。
○ハンセン病の歴史と正しい知識を習得してもらうため、行政担当職員や学生等を対象とした施設への訪問事業を行っています。
ハンセン病募金
○年間を通じて、ハンセン病募金を実施しています。
新潟県では、新潟県藤楓協会と協力し、ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発等の事業に取り組んでいます。
厚生労働省ホームページハンセン病について<外部リンク>
国立ハンセン病資料館ホームページ<外部リンク>
国立ハンセン病資料館 Youtube<外部リンク>