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【十日町】管内の「にいがた農業水利施設百選」
管内の「にいがた農業水利施設百選」を紹介します
管内(十日町市、津南町)にある「にいがた農業水利施設百選」の施設を紹介します。
各施設の標題をクリックすると、平成25年7月から8月にかけて行ったレポートへジャンプします。
日本有数の河岸段丘へ水を押し上げる用水施設群
(清津川揚水機場ほか)
津南町から長岡市に至る信濃川やその支流には日本でも有数の河岸段丘があります。戦後の食糧増産時代、水源がなく畑作主体の段丘地帯で開田が進められ、高台の遥か下を流れる川から水を引くための揚水機場が数多く建設されました。高低差は清津川揚水機場で164メートル、越路原揚水機場で152メートル、池ヶ原揚水機場で140メートル、小粟田原揚水機場で50メートルなど、大容量の高揚程ポンプ設備です。
- 所在地 十日町市ほか
- 管理者 中里土地改良区ほか
開拓の稔りを支える津南の貯水施設
(城原ダム、大谷内ダム、大場頭首工、中子の池)
苗場山麓の開拓農地などに安定した用水を供給するために造成されたダムや貯水施設です。これらダムから適期に農業用水が灌漑され、様々な高原野菜がすくすく育っています。
- 所在地 中魚沼郡津南町
- 管理者 農林水産省、津南郷土地改良区
十日町川西の河岸段丘を潤すダム群
(川西ダム、長福寺ダム、坪山ダム、松葉沢ダム、五升苗ダム)
信濃川左岸地域(旧川西町)の河岸段丘の農地の慢性的な水不足を補うために建設されたダムです。川西ダム、五升苗ダムが灌漑専用、長福寺ダム、坪山ダム、松葉沢ダムは灌漑用と洪水調整を兼ねたダムで、ともに地域の農業を支えています。冬期間は、これらダムから流雪溝用水を流し豪雪地帯の暮らしにも役立てています。
- 所在地 十日町市新町新田ほか
- 管理者 川西土地改良区
先人の夢を叶えた留山ダム
留山ダムは旧松之山町天水島周辺の農地333ヘクタールを灌漑する総貯水量42万立法メートルの貯水施設で、昭和61年に完成しました。天水島地域の天水田で用水を求め苦労した様子が宝用水物語という演劇で今も地元小学生に語り継がれています。日照り続きでも安定して用水を送る「地域の誇り留山ダム」を大切にしようと毎年8月15日にはダム祭りが開かれ多くの人々で賑わいます。
- 所在地 十日町市松之山天水島
- 管理者 松里土地改良組合、十日町市
江戸天明の昔から中里の段丘潤す用水施設
(桔梗原頭首工、桔梗原隋道、桔梗原用水)
桔梗原は信濃川河岸段丘上にあり古くから水不足の地域です。ここへ清津川から農業用水を送るため江戸天明5年(1785)全長9キロの桔梗原用水が開削されました。トンネル工事では多くの犠牲者を出すなど先人の血と汗で建設された用水路です。その後、桔梗原頭首工が造られ安定的な取水が可能になり、農業用水のほか冬期に流雪溝用水も取水しています。地元小学生も総合学習の対象として見学に訪れその歴史を学んでいます。
- 所在地 十日町市東田尻ほか
- 管理者 中里土地改良区
江戸初期から十日町下組の美田を潤す神明洞
神明洞門は十日町市下組地域の農地60ヘクタールを灌漑するための用水施設です。今から300年以上前に新田開発のために掘られた用水トンネルで、落盤事故で多くの死傷者を出す難工事だったと伝えられています。現在も地域の貴重な用水として、地元の人々が苦労しながらトンネル内の土砂の撤去などの維持管理を行っています。
- 所在地 十日町市下組
- 管理者 十日町土地改良区、下組水利組合
隧道に先人の苦労を偲ぶ芝倉沢水路
十日町市清田山、下山、重地(じゅうじ)集落の農地36ヘクタールと生活を支える用水施設です。昭和31年に完成した全長7キロの山腹水路で、トンネル6か所のうち4か所は手掘りトンネルで地元では難工事に関わった先人の苦労を語り継ぎ大切に管理しています。
- 所在地 十日町市清田山
- 管理者 芝倉沢水路利用組合
※施設の見学を希望する場合は、施設を管理する土地改良区等へ相談してください。