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平成17年9月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0002219 更新日:2019年1月17日更新

平成17年9月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

9月27日説明要旨

 平成17年9月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要を説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様にご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 最初に県政の主な動きを説明申し上げます前に、去る9月11日に行われた衆議院議員選挙について触れさせていただきます。各政党は、今回の選挙において、郵政民営化や年金制度改革などを争点の中心に掲げたため、今まさに第一期改革の成否を左右する非常に重要な局面にある地方分権改革が先送りされるのではないかと、大いに懸念しておりました。
 結果として、小泉内閣が推進してきた「官から民へ」、「国から地方へ」の構造改革に対する国民の強い支持が表明されたものと考えており、地方分権改革の着実な推進が図られることを期待するものであります。
 また、県内では、県選出国会議員が4名増え、県政を運営するに当たって必要な事柄が国政に反映されやすくなったという意味で、大変心強く思っているところです。当選された皆様のご活躍を心より祈念申し上げます。

 次に、県政の主な動きについて説明申し上げます。
 まず、三位一体の改革に関連して、全国知事会での議論とその後の取り組みについてであります。去る7月13日、徳島市で開催された全国知事会において、様々な意見はありましたが、約1兆円の国庫補助負担金改革案が承認されました。今年度は、何としても、地方案に含まれていない補助金等を排除し、地方案に即した形での決着をみて、トータルで3兆円の税源移譲を実現しなければなりません。
 しかしながら、省庁の権益を重視した概算要求等の動きも見られるところであり、個々の団体の利益を超えて、国と地方のあるべき姿を第一に考えた対応を行っている地方の立場からは、極めて遺憾であります。
 知事会としては、今回の選挙に当たっても各政党のマニフェストを検証し、地方分権改革の推進を強く求めてきたところです。政府・与党にあっては、地方の真摯な意見を十分に汲んだ上で、この国の将来を見据えた高い見地からの判断を是非期待したいと考えております。私としても、この秋の決着に向け、各県知事とスクラムを組んで国に対する働きかけを強めてまいります。

 次に、相次ぐ災害への対応についてであります。
 去る6月27日から28日にかけての梅雨前線の停滞による豪雨は、柏崎市を中心に住宅の床上、床下浸水が700棟を超えるなど、大きな被害をもたらしました。県としましては、柏崎市に災害救助条例を適用し救助費用について支援を行うほか、被災者の生活の速やかな再建を図る観点から市に対して補助を行うことといたしました。また、道路や河川、農地などについても迅速な復旧に努めることとし、これら関連経費を今回の補正予算に盛り込んだところであります。
 その後、8月10日以降も中越地方を中心に局地的な豪雨に襲われ、また、全国的にも台風第14号により、九州を中心に深刻な被害に見舞われたところであります。世界に目を転じましても、ハリケーン「カトリーナ」に襲われたアメリカのニューオーリンズなどで未曾有の被害が生じるなど、各地域で大災害が相次いでおります。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。県としても昨年の米国からの支援に対する感謝の意味を込めて、現在、募金活動を行っております。皆様の暖かいお気持ちをお待ちしております。
 私といたしましては、こうした頻発する災害に接し、地球環境の異変に思いをいたすとともに、危機管理の重要性を改めて痛感したところであり、しっかりと防災、減災対策に取り組んでまいる所存です。

 次に、昨年度、本県が見舞われた大災害からの復興についてであります。
 7月13日、死者15人を出した7.13新潟豪雨災害から1年が過ぎました。経済面での復興が進む一方で、被災地では未だに600人を超える方々が応急仮設住宅で暮らさざるを得ない状況にあります。県としても、これらの方々の一日も早い生活の再建に向け、市町村と連携しながら万全を期してまいります。
 そして、中越大震災の発生からも、間もなく1年を迎えようとしております。現在では、旧山古志村を始め、被災地に出されていた避難勧告・指示が一部解除され、また、新店舗での営業の再開も次第に増えるなど、少しずつではありますが、確実に復興に向けた歩みが始まっていることを大変うれしく思っております。また、同時に、これからの長い道のりに改めて気持ちを引き締めているところです。
 そうした中、震災からの今後10年間の復興に向け、新潟県中越大震災復興計画を先般策定いたしました。「被災者の思い」を基本理念とし、「創造的復旧」を復興の柱とした計画であり、これに基づいて被災者の方々の生活再建を最優先に取り組んでまいります。10年後の人と自然の織りなす豊かな中山間地の風景を思い描きながら、復興の「新潟モデル」となるよう、全力を傾注してまいる所存です。議員各位並びに県民の皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

 次に、観光面での復興についてであります。
 震災により大きなダメージを受けた本県観光を立て直すため、「花火」をテーマにした夏のキャンペーンに続いて、JR東日本や日本観光協会、並びに多くの旅行会社の協力をいただきながら、「がんばってますにいがた『ありがとう』キャンペーン」を9月から首都圏を中心に展開しております。本県観光は、一時期の危機的な状況は脱したものの、入り込み客は完全には回復していない状況にあります。こうした取り組みを通じて復興ムードを全県的に広げていくとともに、「おもてなしの心」をもって、全国からいただいたご支援にも感謝の気持ちを表してまいりたいと考えております。
 私自身も、観光振興の一助となるべく、佐渡国際トライアスロン大会に県職員2人とともに参加してまいりました。そこで身をもって感じた佐渡の自然のすばらしさ、人の温かさを多くの方々に体験していただきたいと思っております。
 今後とも、こうした観光復興策を県を挙げて展開していくことで、地域の一体感や活力を呼び覚まし、魅力ある新潟県づくりにつなげていく所存です。

 次に、去る7月下旬のロシア極東交流促進訪問の成果についてであります。今回の訪問では、ハバロフスク地方政府及び沿海地方政府を訪れ、両政府のトップと直接協議をし、教育や経済・観光、学術や水産交流について覚書を締結いたしました。また、経済交流に関しては、ロシアと本県企業の間で、県産チューリップの切り花輸出に関する基本契約締結にこぎつけ、その輸出が間もなく始まる予定となっております。今回の訪問は、こうしたトップセールスの成果もあって、今後の交流促進に向けて大きな意義を有するものとなったと考えております。

 次に安全・安心対策についてであります。
 まず、アスベストを巡る問題についてであります。全国でアスベストによる健康被害が深刻な社会問題となっており、県民の生命に関わる問題として大変憂慮しているところです。県としては、県有施設についての調査確認を急ぐ一方、新潟労働局など国の機関とともに連絡会議を設置し、連携強化に努めております。また、立ち入り検査や建物の解体現場周辺での環境調査の実施による飛散防止対策など、県民の安全と安心の確保に万全を期すこととしており、今回の補正予算にも関連経費を計上しているところです。
 また、今議会には、「にいがた食の安全・安心条例」を提案しております。県民が安全で安心な食生活を享受でき、かつ安全で安心な食品を提供する新潟県をつくることで、県民の健康維持に資することはもちろん、新潟県産の食品に対する信頼性を高めていくことを目指すものです。私としては、去る6月定例会で議決いただいた「安全で安心なまちづくり条例」も併せ、様々な取り組みを進めながら、安心して暮らせる住みよい新潟県づくりに全力を尽くしてまいる所存です。

 次に水俣病に関する問題についてであります。6月に発表した「ふるさとの環境づくり宣言」を受け、去る7月19日、新潟水俣病の被害者の皆様と今後の県の取り組みなどについて、話し合う機会を得ました。そこでの要望や8月に実施した新潟水俣病40年記念事業での様々なご意見を踏まえて、今後の水俣病対策の推進を図るため、交流の拠点である「県立環境と人間のふれあい館」について、県として直接責任を持って運営していくこととしたところであります。今後も被害者の皆様の意向を踏まえながらこの問題に取り組んでまいる所存です。

 次に財政運営計画についてであります。本県財政は全国的な景気回復を受けて、税収の増加が見込まれてはおりますが、相次ぐ災害への対応などもあり、引き続き緊張感を持った運営が必要な状況にあります。そうした中で、決して財政再建団体に転落させないためにどういう運営をしていくべきか、検討を重ね、昨日、現段階での考え方をとりまとめ、発表させていただきました。
 私としては、問題の本質は国と地方を通じた税源配分のあり方にあると考えております。しかし、現時点でその抜本的な改革を前提にした財政運営は困難なことから、想定しうる様々な要素を勘案しながら、財政収支について複数のシミュレーションを行ったところです。
 県庁自身が選択と集中を進め、小さい政府にしていくこと、そして企業誘致や産業振興等による税源涵養等により歳入の確保に全力を挙げることはもちろんであります。しかし、県財政を巡る問題は、残念ながら国全体としての経済状況や、構造改革の行方に大きく左右されざるをえません。私としては、県庁が政策官庁として地方の立場で積極的に改革の実現に関わっていくことを前提としつつ、県財政を取り巻く様々な要素を常に分析し適切に対応しながら、県として歳入歳出両面での最大限の努力を各年度の予算に反映することが肝要と考えております。
 今議会でのご議論や県民の皆さまからの声を踏まえながら更に検討を加え、今後の財政運営のあり方を的確にお示しするものとなるよう努めてまいりたいと考えております。

 最後に、先月より策定作業を始めた政策プランについてであります。この政策プランは、昨年の知事選挙の際の私の公約を今後の行政計画に反映させていく、そのための基本計画であり、これまでのような国の開発計画を踏まえながら行政全般にわたる取り組みを示した総合計画とは異なるものです。
 プランの一つの柱として考えておりますのが「産業夢おこし」です。「産業は福祉の糧」という言葉のとおり、本県経済の方向感をプラスにしていく産業政策を重点的に展開することで、働く場を確保し、本県の活力を高め、教育、福祉にその効果をつなげていきたいと考えているものです。
 もう一つの柱は、「くらし夢おこし」です。自然環境、防災や治安、健康、福祉、教育など様々な面で安全で安心して暮らせる社会づくりに努めてまいりたいと考えております。
 こうした柱に沿って、県全体が夢おこしに向かって前向きに取り組んでいけるプランを策定してまいりたいと考えております。議員各位並びに県民の皆さまのご理解をお願い申し上げます。

 次に、提案している主要な議案について説明申し上げます。
 第165号議案は、一般会計補正予算でありまして、総額134億4,686万2千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、相次ぐ災害の復旧等に要する経費を計上するほか、アスベスト対策に必要な経費を計上するとともに、国の補助事業の内定又は内定見込みなどに伴う所要の措置を講じることとしたものであります。

 以下、補正予算の主な項目につきまして説明申し上げます。
 まず、災害対応につきましては、6.27梅雨前線豪雨災害を中心に被災した道路や河川の災害復旧費や、道路の損傷の復旧のための維持管理経費等について計上したところです。
 また、アスベスト対策につきましては、県有施設に係る調査費を計上するとともに、建物の解体に伴う飛散に対する監視体制を強化するため、検査機器の整備に要する経費を計上しました。

 その他の項目といたしまして、県民生活関係では、本県の中世史に係る貴重な歴史資料の整備に要する経費について計上しております。
 また、福祉保健関係では、乳がんの早期発見、早期治療につなげるため、検診機関が行う検査機器の整備を支援することとしております。
 次に、農林水産関係では、中越大震災で被災した錦鯉養殖業の「復興」をアピールし、輸出の増大を図るための経費や、「にいがた杉ブランド材『越後杉』」を活用した被災地の住宅再建が当初見込みを上回って進んでいることから、復興基金による支援事業と連携し、森林組合やブランド材認証工場等への助成のための所要の経費を計上しました。
 また、港湾空港関係では、台湾からの観光客の増加に対応し、バス借り上げ費用への支援のための所要の経費を計上しました。
 以上、補正の主な内容について説明申し上げましたが、その結果補正後の財政規模は、
 1兆2,878億9,916万2千円となり、前年度9月補正後との対比では0.5%の増加となる見込みであります。

 次に、その他の主な条例案件等について説明申し上げます。
 第179号議案は、指定管理者制度の導入等に伴い、指定の手続き、管理の基準及び業務の範囲等を規定するため、
 第183号議案及び第187号議案は、県立津南中等教育学校の設置及びそれに伴って職員定数を改めるため、
 第188号議案は、国民健康保険法の改正に伴い、新たに導入された国民健康保険調整交付金の種類、算出方法等の基本的事項を定めるため、
 第189号議案は、先程説明した「にいがた食の安全・安心条例」であり、
それぞれ、条例の制定及び所要の改正を行うものであります。
 次に、第190号議案及び第191号議案は、食品衛生法の改正、食品安全基本法の制定を踏まえ、衛生確保の基準や目的等を改正するため、
 第192号議案及び194号議案は、国際海上交通の簡易化に関する条約の締結に伴い、漁港又は港湾の利用手続きの簡素化等を図るため、
 第195号議案は、警備業法等の改正に伴い、関係手数料の改正を行うため、
 それぞれ、条例の改正を行うものであります。

 また、第205号議案は、先般実施されました最高裁判所裁判官国民審査及び衆議院議員選挙に必要な経費について、急施を要するため、やむを得ず行った知事専決処分の承認を求めるものであります。

 最後に、第210号議案から第213号議案までは、企業会計に係る平成16年度決算の認定及び利益剰余金の処分についてお諮りするものであります。
 以上、説明申し上げました議案を含め、全49議案について、お諮りをいたしました。何とぞ慎重ご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げます。

10月13日説明要旨

 ただいま上程されました第214号議案は、平成16年度一般会計及び特別会計の決算の認定について、お諮りするものであります。
 よろしくご審議のうえ認定を賜りますようお願い申し上げます。

10月14日説明要旨

 ただいま上程されました議案2件は、いずれも人事に関する案件であります。

 第215号議案は、教育委員会委員を任命するため、
 第216号議案は、土地利用審査会委員を任命するため、

それぞれお諮りいたしました。
 よろしくご審議のうえ同意を賜りますようお願い申し上げます。

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