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平成14年12月定例会(産業経済委員長報告)
平成14年12月定例会 産業経済委員長報告(12月20日)
委員長 早川 吉秀
産業経済委員会における付託案件の審査経過並びに結果について御報告申し上げます。
まず、産業労働部関係として
- 柏崎刈羽原子力発電所については、年度内に全号機停止による点検が行われる予定であるが、東京電力株式会社による一連の不正事件等によって失われた信頼の回復や事件の真相が解明されるまでは、安易に運転再開を認めるべきではないと思われるので、徹底した調査や安全評価の実施を関係機関に働きかけるべきとの意見。
- 信用保証制度の利用については、厳しい経済状況の中において、金融機関の審査段階で機械的に融資が断られる事例が見受けられ、制度本来の機能が十分に発揮されていないので、経営者の過去の実績や意欲を考慮し総合的に判断されるよう、制度の活用に結びつく審査の実施について金融機関に働きかけるべきとの意見。
- 佐渡観光振興アクションプランの支援については、地元観光業者だけでなく農林水産関係者等とも協力しながら地元住民が主体となって地域振興局と連携して取り組んでいるところであるが、実効性のある計画とするためには、観光についての様々なデータやノウハウが必要となってくると思われるので、県において蓄積された情報等を基に、一層の支援を行うべきとの意見。
- テクノスクールにおける指導員の配置については、国の配置基準に満たない部分を非常勤講師で対応しているところであるが、製造業の空洞化が急速に進んでいる中において、ものづくりの基盤強化は一層重要なものとなってきているので、正規の指導員の確保に努めるべきとの意見。
次に、農林水産部関係として
- 米政策改革大綱における担い手経営安定対策の案については、生産調整の実施者の中で一定の水田経営規模の生産者に限定した米価下落影響緩和対策の上乗せとしての差額補てんの実施が示されているところであるが、同じ生産調整の実施者に対する差別化につながるおそれがあり、生産者の理解を得ることが困難であると思われるので、内容を再検討するよう国に働きかけるべきとの意見。
- 本県産米の販売促進に当たっては、一部の生産者や農業団体で独自に販売ルートの開拓を行ってはいるものの、地縁・親戚関係者等の限られた範囲となっている状況にあるので、生産者や農業団体等との連携を図ったうえで、販路拡大に向けた販売戦略の確立に努めるべきとの意見。
- 備蓄米の在庫処分については、国において多額な管理コストを要していながら、新米の価格形成に影響を与えないよう売却計画が立てられていることにより、販売が促進されず、最終的に工業用糊等として安く処分されている状況にあるが、その一方で食品産業界等からは備蓄米の早期供給が求められているので、国に対して、需要のあるところに適切な供給が行われるよう働きかけるべきとの意見。
- 畜産業の振興については、牛海綿状脳症による影響に加え、いわゆる家畜排泄物法による堆肥舎の設置の義務づけなど、畜産農家にとって今後一層厳しい経営環境となることが予想されるので、安全な飼料作物の生産拡大や堆肥処理に係る施設の整備に向けて、農家の意見を十分に踏まえたうえで更なる支援策を実施すべきとの意見。
次に、農地部関係として
- 県内のほ場整備については、平成12年度末段階において、全国平均の整備率とは約10ポイントの開きがある状況となっているが、今後、米の生産コストの低減が一層求められている中で、大規模営農による合理化により生産コストの削減を図っていく必要があるので、早急な整備について国に働きかけるなど積極的な取組に努めるべきとの意見。
- 環境に配慮した土地改良事業等の実施に当たっては、自然再生推進法が制定され、事業の計画段階からの住民やNPO等との協議など、より一層の住民参加による事業の実施が求められており、法律の趣旨を土地改良事業等においても生かす必要があるので、住民の声を的確に反映できるような体制の整備を早急に行うべきとの意見。
以上が、審査の過程で述べられた主な意見の概要であります。
次に、議案採決に先立ち、各党党議結果の報告を求めたところ、自由民主党並びに無所属岩村委員からは、全議案いずれも原案賛成。社会民主県民連合からは、第176号議案については一般職の職員給与の減額調整を盛り込む内容となっており、過去の不利益を強要されないという法の原則に抵触し、違法性の疑いが高く、労使の話合いをよく行うようにとの国会の附帯決議がなされたにもかかわらず、労使の合意がないままに実施されることが不適当であり、また、デフレスパイラルを更に助長する可能性が高いことから反対。その他の議案については、いずれも原案賛成。新潟みらいからは、第176号議案を除いて原案賛成。第176号議案については、党議拘束をかけず、近藤委員からは、一般職の職員給与の減額調整を盛り込む内容となっており、4月にさかのぼって遡及はできないとの国会での見解と異なることや、4月から行われている臨時的給与削減への配慮や、労使の話合いができなかったことから反対というものであります。
次いで採決を行い、全議案とも原案のとおり可決または認定すべきものと決しました。
次に、請願・陳情の審査結果について申し上げます。
請願第10号、陳情第23号、第24号、継続中の請願平成13年第1号、継続中の陳情平成11年第30号、平成12年第8号、平成14年第7号及び平成14年第8号については、継続審査。残りの陳情第20号については、願意妥当と認め、採択すべきものと決した次第であります。なお、採択された陳情は、知事に送付すべきものと決しました。
以上をもって、報告といたします。