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平成20年12月定例会(請願・陳情)
陳情 第20号
第20号 平成20年11月26日受理 厚生環境委員会 付託
重度心身障害者医療費助成の確保に関する陳情
陳情者 新潟県患者・家族団体協議会 代表幹事 永島日出雄
(要旨)
2008年11月17日に開かれた「第3回少子高齢社会に対応した医療制度等のあり方検討会」で、子供の通院医療費助成の拡充について、第三子のいる家庭の助成年齢を引き上げる県案が明らかにされた。子供の通院費助成は、全国的に見て新潟県は低い水準であり、市町村独自の助成も行われている中、県としての一層の拡充が求められている。
しかるに、県は少子化対策に比べ高齢者、障害者対策の割合が高いとのことから、重度心身障害者医療費助成の自己負担の増額、65歳以上の新規障害者の除外などの方向を示している。
障害者は健常者と異なり一生涯、障害を背負って生活していかなければならず、国の制度として医療費助成は、特定の疾病を対象にした障害者自立支援法による更生医療、特定疾患治療研究事業対象疾患(難病45疾患)、長期高額疾病(腎透析、血友病等一部負担月1万円・2万円)のみで、これらは病気の程度、所得制限等があり、障害者だれもが適用になるわけではない。
さらに、老人保健法(2002年10月)、後期高齢者医療(2008年4月)による定額負担から定率負担(1割から3割)、入院時食事療養制度の創設(1994年10月)、特別養護老人施設等の住居費、食費負担(2005年10月)等で、国の医療・福祉制度の後退が見られる。
また、バス路線の改廃による通院費用の増加で、市町村によるタクシー代の補助だけでは通院費を賄うことは不可能である。腎透析患者は週3回通院しなければならない。在宅酸素療養者にとっては酸素を濃縮するための電気料が1か月2,000円から3,000円かかる。
多くの患者が加齢により病状の悪化・進行のため身体障害者になる。老人は戦後、国の復興と社会のために貢献してきた。高齢障害者を年齢によって差別することは許されないことと考える。
現行の重度心身障害者医療費助成は、所得制限、患者負担等改善する点はあるが、障害者にとっては命の綱となっている。
ついては、貴議会において、重度心身障害者医療費助成を現行より後退させないよう、次の事項に配慮されたい。
- 新潟県重度心身障害者医療費助成事業における定額負担を定率負担にしないこと。
- 年齢制限導入はしないこと。
- 食事療養費の助成は引き続き行うこと。