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平成23年2月定例会(請願第2号)
第2号 平成23年1月20日受理 建設公安委員会 付託
佐渡島の離島振興を求める意見書提出に関する請願
請願者
住みよい佐渡を創る会 代表 富田寶元 外1名
紹介議員
中川カヨ子君
(要旨)
大きな期待と希望に満ちて合併して船出した佐渡市であるが、人口の減少はより進行し、今の減少数が続けば約60年後には無人島になるかもしれない。
行政においては行政改革が行われ、予算規模が小さくなることは島の経済がより縮小されることに直結し、市民へのサービスの質の低下と負担増が現実となってきた。
この要因は、絶対的な宿命である離島であるからだと思う。私たちが本土へ行くためには、現在、海路しかないのである。
本土で暮らす人々には、日常生活では航路の利用に伴う金銭的負担はないが、離島で暮らす人々にとっては、航路の利用に伴う金銭的負担は必要不可欠である。
日本には、人の住む島が432島、離島振興法の適用を受けられる島が258島であり、人口は約43万3,000人余りが暮らしている。日本は小さな島国であるが、多くの離島を有することから排他的経済水域では世界で6番めの広さがあると聞いている。
離島振興法第1条では、「我が国の領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、自然環境の保全等に重要な役割を担っている離島について、産業基盤及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある状況を改善するとともに、離島の地理的及び自然的特性を生かした振興を図るため、地域における創意工夫を生かしつつ、その基礎条件の改善及び産業振興等に関する対策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施する等離島の振興のための特別の措置を講ずることによって、離島の自立的発展を促進し、島民の生活の安定及び福祉の向上を図り、あわせて国民経済の発展及び国民の利益の増進に寄与することを目的とする」と規定している。
かつては、波がなくても揺れる船で、船酔いは当たり前のことであった。現在では大型船の就航で快適な船旅ができる。しかし、海は女神のような微笑と数々の恵みをもたらす反面、時には人々を拒絶する厳しい自然のおきてを避けることはできないのである。人口減少が続けば大型船の運航が困難になることは必然である。
佐渡は、航路輸送からくる物価高、観光客の減少、教育・医療等あらゆる面で本土との大きな絶対的格差の中で細々と生活をともさなければならない現状である。
ついては、貴議会において、本土と佐渡島を結ぶ航路を佐渡島民が利用した場合の運賃について、相応の国庫補助をすることを求める意見書を国に提出されたい。