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平成23年12月定例会(陳情第27号)
第27号 平成23年11月15日受理 総務文教委員会 付託
費用弁償を適正金額にすることに関する陳情
陳情者 県・新潟市を考える会 会長 吉村美二
(要旨)
私たちは、昨年の12月定例会と今年の6月定例会に、費用の弁償を実費等に減額することに関する陳情をした。残念ながら不採択になったが、10月14日の新聞報道によれば、きゅうきょ、どうしてか、9月定例会で今までの6区分(日額8,000円~18,600円)が、11区分(同4,000円~17,000円)になった。
改正案は、各党会派代表者会議で自由民主党が提案。日本共産党から「実費支給にすべきだ」との意見が出たが、登庁日によって新幹線やマイカーなど交通手段が異なるとして、「事務処理の負担が大きい」「登庁することが大事。交通手段を問うべきでない」と日額方式を求める声が多く、最終的に全会一致で賛成された。
しかし、「事務処理の負担が大きい」「登庁することが大事。交通手段を問うべきでない」とか、もっともらしい言葉であるが、次の地方自治法等の1から3の理由により、間違いがはっきりしている。
- 地方自治法第101条によれば、普通地方公共団体の議会は、普通地方公共団体の長がこれを招集するとなっている。また、招集は、開会の日前、都道府県及び市にあっては7日までにこれを告示しなければならないとなっている。したがって、これを無視して遠隔地に出掛けること自体、間違っている。
- 新潟県議会議員給与条例第8条によれば、定例会等の招集は、住所又は居所から招集地になっている。したがって、議員が住所又は居所以外の場合は個人負担であり、議長に欠席届を出すことは自己責任である。
- 地方自治法第203条第2項によれば、普通地方公共団体の議会の議員は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができるとなっている。
過去2回、不採択になった理由は、地方自治法に基づいた条例で支給されており、適切に執行されているためとなっているが、地方自治法の費用の弁償とは、交通費の実費で、しかも「受けることができる」とは、必ず支給しなさいということではない。
また、平成2年12月21日付最高裁判所第2小法廷判決では、「費用弁償については、あらかじめ費用弁償の支給事由を定め」と判示されている。今回、費用の弁償に関する条例が11区分になったが、日額の内訳を積算した文書はないから、最高裁判所の判示に違反する。
以上、1から3の理由により、費用の弁償は、なにも日額にこだわる必要がない。実交通費等に雑費を加算して千円単位にすることで、事務処理に何も問題はない。また、公務諸費は廃止して政務調査費にする。ただし、宿泊費が必要な場合は別途支給するが、実交通費と雑費は最小限とする。したがって、議員は率先して公費の無駄をなくするように努めるのが本来の姿ではないか。
ついては、貴議会において、費用の弁償は再度、条例改正して適正な金額にされたい