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平成28年12月定例会(請願第12号)
第12号 平成28年11月29日受理 厚生環境委員会 付託
福島原発事故避難者への住宅無償提供の継続を求める意見書提出に関する請願
請願者 福島原発被災者フォーラム山形・福島 代表 武田 徹
紹介議員 片野 猛君 小島義徳君 重川隆広君
(要旨)
福島原発事故から5年半を迎えようとしている。今なお、多数の被災県住民が県境を越えた避難を余儀なくされている。平成28年10月13日現在、新潟県3,218人(山形県2,731人)が避難生活を続けている。
現在のところ、2011年3月11日、内閣総理大臣によって発令された「原子力緊急事態宣言」は解除されておらず、事故の収束の見通しも立っていない。
また、放射性物質の除染・搬入作業や復興住宅の建設などの現状から、避難者が避難元に安心して帰ることができるまでには、まだまだ時間がかかるのが現状である。
さらに避難生活が長期化するにつれ、避難者もそれぞれ事情が異なってきており、問題が複雑化、多様化してきている。中でも、母子避難者にとっては、唯一の命綱である住宅の無償提供を打ち切られることは、直ちに生活困窮に陥り、将来を担う子どもにも重大な影響を与えかねない。
そのような中、政府と福島県は、平成29年3月末日をもって自主避難者の避難先の住宅の無償提供を終了し、県独自の支援策に切り替えることを決定した。しかし、この支援策の対象は狭く、家賃補助率も低く、期間もわずか2年しかない等の問題がある。また、多くの場合、転居が必須であり、5年以上の間に築き上げた避難先の地域コミュニティとの繋がりは破壊される。
このような中にあって、新潟県は、1.県営住宅の入居支援、2.公営住宅への引っ越し費用の補助、3.新潟県内における就業支援、4.母子避難世帯・一人親世帯への高速バス料金・高速道路料金の移動支援、5.小中学生がいる世帯への民間賃貸住宅の家賃支援等の避難者の立場を十分に考慮した支援策を出されたことは、非常に評価されることであり、他都道府県も大いに参考にすべきものである。
山形県も、今年8月25日、郡山市で開催された福島・新潟・山形三県知事会議で、吉村知事自ら、内堀福島県知事に「住宅無償問題」で「格段の配慮をお願いしたい」と頭を下げられ、新潟県泉田前知事も「避難者は一人一人生活が違います。それぞれのニーズに合わせた取り組みを、三県が連携して実施したい。安心した生活が送れる環境を作れるようにしたいです」と語った経緯がある。
10月に、参議院議員会館で、「住宅無償提供」を求める4団体(「ひだんれん」等)と、内閣府、復興庁、環境省、国交省、原子力規制庁参加の下で持たれた会合で、内閣府は「災害救助法にかかわる内容で、福島県から協議の申し入れがあれば、適切に対応したい」と応じた。
ついては、貴議会において、東日本大震災自主避難者への「住宅無償提供」の継続のため、次の事項を求める意見書を、国並びに福島県知事に提出されたい。
- 福島県知事は、東日本大震災自主避難者への「住宅無償提供」の継続を図るために、災害救助法施行令第3条2項の規定に基づいて、区域外避難者に対する災害救助法の適用延長について国と再協議すること。
- 国は、東日本大震災自主避難者への「住宅無償提供」の継続を図るために、福島県からの災害救助法の適用延長についての再協議に応じ、合意すること。
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