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平成29年6月定例会(陳情第4号)
第4号 平成29年5月31日受理 総務文教委員会 付託
政務活動費条例改正に関する陳情
陳情者 新潟市民オンブズマン 代表 谷正比呂
(要旨)
- 新潟県県議会議員(以下「県議会議員」という。)に対しては、毎年政務活動費(かつての政務調査費)が交付されるところ、事務所賃料の支払いを政務調査費から充当することができるかについては、争われていたところである。
- この点について、平成20年ないし23年度の新潟県議会議員に対し交付された政務調査費の支出の適法性が問題となった東京高等裁判所・平成29年4月25日判決(平成28年(行コ)第213号事件)は、以下の(1)及び(2)のとおり判示した(5月12日の経過をもって確定。)。
- 事務所賃料の2分の1を超える部分について、政務調査費から充当することは、原則として許されない。
- 自己または親族が代表者を務める会社に対し、議員の事務所賃料を支払う際には、当該会社の実質がその代表者である議員本人や親族個人の個人企業と認められるなど、当該会社の実態等から見て、当該事務所の賃貸借が自己または親族からの賃貸借と同視できるときには、政務調査費を充当することは許されない(そうでない場合、事務所賃料の2分の1を限度に、政務調査費から充当することが許される。)。
- 前記東京高裁判決は、自己または親族が代表者を務める会社に支払う事務所賃料に政務調査費を充当する場合、当該会社が議員本人や親族個人の個人企業ではないことを客観的資料(法人の資格証明書、不動産の全部事項証明書、決算報告書)によって証明する必要があると判示したものといえ、このことは、政務活動費の場合にも妥当すると解すべきである。
前記東京高裁判決の趣旨を踏まえれば、県議会議員が事務所賃料を政務活動費から充当する場合、県議会議員においては、貸主の客観的資料を議会事務局に提出すること及び当該提出資料をホームページで公開することを条例によって義務付けるべきである。
なぜなら、県議会議員の事務所の貸主の客観的資料の提出及びその公開の義務付けによって、住民側において政務活動費の充当が適切かの監視が可能になるとともに、県議会議員側においても違法またはその疑いのある政務活動費の支出の抑制に繋がるからである。 - よって、事務所賃料の支払いに政務活動費を充当する場合、当該事務所の貸主に関する客観的資料を議会に提出すること及び当該提出資料をホームページで公開することを義務付ける条例改正をするよう陳情する。
ついては、貴議会において、県議会議員の事務所賃料の支払いに政務活動費を充当する場合、当該議員においては、当該事務所の貸主に関する客観的資料を議会事務局に提出すること及び当該提出資料をホームページにより公開することを、条例の改正によって義務付けるよう配慮されたい。