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令和3年6月定例会(第14号発議案)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0406520 更新日:2021年7月5日更新

令和3年6月定例会で上程された発議案

地域と医療職場の自主性による医療改革を求める意見書

第14号発議案

   地域と医療職場の自主性による医療改革を求める意見書

 上記議案を別紙のとおり提出します。

  令和3年7月5日

   提出者  樋口 秀敏  池田 千賀子  大渕 健

   賛成者  小島 晋  高倉 栄  上杉 知之
        長部 登  小山 芳元  小泉 勝
        杉井 旬  重川 隆広  秋山 三枝子
        片野 猛  遠藤 玲子  佐藤 浩雄
        佐藤 久雄  渡辺 和光

 

新潟県議会議長  桜井 甚一 様

 

地域と医療職場の自主性による医療改革を求める意見書

 令和3年5月、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が成立した。この改正法は病床削減・病院統廃合を進めるもので、自主的に削減を望む病院に対し、国が交付金により財政支援するとしている。しかし、病床稼働率が高い病院ほど一床当たりの単価を引き上げるとしており、財政難に苦しむ病院が財政支援を求めて病床削減を進めれば、新型コロナウイルス流行下だけでなく、日常的に医療がひっ迫し、入院の受入れが困難な状況を作り出すことになる。
 日本の人口1,000人当たりの医師数は2.4人とOECD平均の3.5人より大幅に少なく、医師の長時間労働が問題とされる中、医師の増加が求められている。医師の働き方改革として、今回の改正法により令和6年4月から新たな時間外労働の上限規制が適用されるが、過労死ラインを超える年960時間の時間外労働を36協定で締結することを認め、さらに年1,860時間までを追認している。労使協定である36協定は、言うまでもなく労使間で時間外労働の限度を決めるもので、法律で上限時間を拡大すべきものではない。また、医師不足を補うため「タスク・シフト、タスク・シェアの推進」により医師の医療業務を臨床検査技師や救急救命士に担わせるとしているが、医療の質を落とし医療事故を招きかねない。
 よって国会並びに政府におかれては、医師などの医療従事者の疲弊を防ぎ、安全な地域医療提供体制を確立するため、改正法により病床の削減を強いることなく医療現場の実情と地域の自主性を尊重するとともに、36協定締結に当たっては厚生労働省通達の労働災害の認定基準を超える内容を安易に認めることなく、必要な人員の確保により安全な医療環境の実現を目指すよう医療機関に対して指導することを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   令和3年7月5日


新潟県議会議長  桜井 甚一

  衆議院議長  大島 理森 様
  参議院議長  山東 昭子 様
  内閣総理大臣  菅 義偉 様
  総務大臣  武田 良太 様
  厚生労働大臣  田村 憲久 様


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