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令和4年6月定例会(第17号発議案)
令和4年6月定例会で上程された発議案
国民生活を守り抜くための物価高騰対策を求める意見書
第17号発議案
国民生活を守り抜くための物価高騰対策を求める意見書
上記議案を別紙のとおり提出します。
令和4年8月2日
提出者 池田 千賀子 上杉 知之 大渕 健
賛成者 樋口 秀敏 小島 晋 長部 登
小山 芳元 小泉 勝 杉井 旬
重川 隆広 秋山 三枝子 片野 猛
遠藤 玲子 佐藤 浩雄 佐藤 久雄
渡辺 和光
新潟県議会議長 佐藤 純 様
国民生活を守り抜くための物価高騰対策を求める意見書
本年6月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比で2.2%上回った。上昇率は4、5月を上回り、消費税率引上げの影響を除けば13年7か月ぶりに2%を超えた4月から、3か月連続で2%を超え、10か月連続で前年を上回った。一方で賃金の上昇が追いついていないことから、本年5月の実質賃金は前年同月比1.8%減となった。2か月連続のマイナスとなり、家計負担が増大するいわゆる「悪い物価高」となっている。
こうした状況を受けて、政府は4月26日、「コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」」を決定し、これに基づき、総額2.7兆円規模の令和4年度補正予算を編成したが、うち1.5兆円は既に支出した予備費の埋め戻しに充てられ、残るわずか1.2兆円が原油価格高騰対策として支出されるだけの極めて不十分な内容となっている。これでは物価高騰に苦しむ国民生活を支えることは到底できない。
また、現在の物価高騰は、急速な円安の進行による輸入物価の上昇により助長されているが、この背景には、アベノミクス以来の「異次元の金融緩和」を続けてきた我が国と、金融緩和の縮小に踏み切った諸外国との間で金利差が拡大することで、市場で円売りが進んでいるという事情がある。
現下の物価高騰から国民生活を守り抜くためには、金融政策、財政政策を含めた総合的・効果的な対策を行うべきである。
よって国会並びに政府におかれては、下記の対策を講ずることを強く要望する。
記
1 「異次元の金融緩和」については、物価安定目標を「消費者物価の前年比上昇率で2%」とした「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」を再点検すること。また、アベノミクスの出口戦略を示すこと。
2 トリガー条項の発動、灯油・重油・LPガス・航空機燃料等の購入費補助など、総合的な原油価格高騰対策を実施すること。なお、トリガー条項の発動により減収する地方税については補填を行うこと。
3 小麦原材料費の上昇を抑制するため、国が輸入する小麦価格に上乗せして製粉企業等へ売り渡すマークアップ(輸入差益)を引き下げること。なお、マークアップは国産小麦の生産支援の財源となっていることから、引下げ分については、一般会計から確保すること。
4 税率5%への時限的な消費税減税を実施すること。なお、これにより地方自治体の財政に悪影響を及ぼすことのないように必要な措置を講ずること。
5 コロナ禍と物価高騰で困難な状況にある事業者を支えるため、事業復活支援金の支給上限額倍増、中小企業のコロナ債務負担の軽減など、総合的な支援策を実施することで、地域経済を守ること。
6 現在の年金制度は、物価上昇に見合うだけの支給額の増額が行われない設計となっていることから、年金生活者支援給付金を手厚くするなど、年金生活者を支えるために必要な対策を講ずること。
7 時給1,500円を将来的な目標に、中小零細企業を中心に公的助成をしながら、最低賃金を段階的に引き上げること。
8 賃貸住宅の家賃を補助する制度を創設すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年8月2日
新潟県議会議長 佐藤 純
衆議院議長 細田 博之 様
参議院議長 山東 昭子 様
内閣総理大臣 岸田 文雄 様
総務大臣 金子 恭之 様
財務大臣 鈴木 俊一 様
厚生労働大臣 後藤 茂之 様
農林水産大臣 金子 原二郎 様
経済産業大臣 萩生田 光一 様
国土交通大臣 斉藤 鉄夫 様
経済財政政策担当大臣 山際 大志郎 様