ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

令和6年9月定例会(第21号発議案)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0697982 更新日:2024年10月15日更新

令和6年9月定例会で上程された発議案

訪問介護の基本報酬引下げ等に関する意見書

第21号発議案

   訪問介護の基本報酬引下げ等に関する意見書​

  上記議案を別紙のとおり提出します。

   令和6年10月15日

    提出者  厚生環境委員長 斎京 四郎

新潟県議会議長  皆川 雄二 様

 

訪問介護の基本報酬引下げ等に関する意見書​​

 令和6年度介護報酬の改定に当たっては、全ての介護事業者のサービスが安定的に提供されるとともに、介護従事者の賃金が改善することによって生活が安定し離職が防止されることに配慮がなされなければならない。
 しかし、政府は令和6年度の介護報酬改定において訪問介護の基本報酬を引き下げた。これにより、小規模な訪問介護事業所の倒産や人手不足に拍車がかかり、訪問介護サービスが受けられなくなる要介護者や介護離職が増加するおそれがある。
 民間調査会社の調査によると、令和5年の訪問介護事業者の倒産は67件と過去最多を更新し、倒産や廃業の懸念が増している。また、厚生労働省の調査では訪問介護事業所の36.7%が令和4年度に赤字経営であったことも分かっている。そもそも介護事業所は、人手不足と物価高騰等により、厳しい経営を強いられている。特に、移動が必要な訪問介護には、移動時間が直接的には介護報酬の算定対象とはならないことや、ガソリン価格高騰等の影響を受けるといった特殊な事情がある。
 厚生労働省は、訪問介護の処遇改善加算について高い加算率に設定したと説明しているが、運営資金につながる基本報酬を下げてしまえば、小規模な事業者の経営の厳しさに拍車がかかることは明白である。また、厚生労働省は処遇改善加算を取りやすくしたと説明しているが、上位の加算の要件は厳しいため、小規模事業者が取得することは困難である。
 訪問介護の基本報酬の引下げによって、将来的には地域包括ケアシステムが崩壊し、介護保険制度による「介護の社会化」に逆行する事態が起きかねない。
 よって国会並びに政府におかれては、以下の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 処遇改善加算の引上げ及び処遇改善加算が取得できない事業所に対する加算基準の緩和を実施すること。
2 介護報酬改定は、単に介護事業経営実態調査に基づくサービス全体の収支差率で判断せず、事業規模や地域の実態を踏まえた収支差率を十分踏まえて判断すること。
3 訪問介護事業所の経営難の原因の1つになっている人手不足を解消するため、介護従事者の更なる処遇改善を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   令和6年10月15日

新潟県議会議長  皆川 雄二

  衆議院議長        様
  参議院議長  尾辻󠄀 秀久 様
  内閣総理大臣  石破 茂 様
  財務大臣  加藤 勝信 様
  厚生労働大臣  福岡 資麿 様


令和6年9月定例会・意見書一覧へ
令和6年9月定例会・議会情報項目一覧へ
新潟県議会トップページへ