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令和6年12月定例会(提案理由)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0708630 更新日:2024年12月3日更新

令和6年12月定例会提出議案知事説明要旨

議案についての知事の説明を掲載しています。

12月3日 知事説明要旨

 令和6年12月定例県議会の開会に当たり、前議会以降の県政の主な動きと、提案致しております議案の概要をご説明申し上げ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、県の最上位計画である総合計画の改定についてです。
 総合計画については、これまで総合計画評価・策定検討委員会の委員の皆様からのご意見・ご提案などを踏まえながら、具体的な内容について検討を重ね、先般、「住んでよし、訪れてよしの新潟県」を基本理念とする総合計画の見直し素案を公表いたしました。
 素案では、本県の最重要課題である人口減少問題に対応するため、人口ビジョンを改定した上で、総合計画の一部として位置付けたところです。人口ビジョンでは、将来の人口定常化に向けた将来展望をお示しするとともに、本計画期間内においては、人口置換水準である合計特殊出生率2.07を2050年に実現する推計を上回ることを目指すこととしたところです。
 また、素案では新たに、「子育てに優しい社会の実現」など、中長期的な視点から、分野横断的な対応が必要な6つの重要課題を掲げたところであり、議会、市町村、関係団体等と共有しながら、今後8年間の目標を掲げ、公民協働により県の総力を挙げてしっかりと対応してまいります。
 今後、素案について、今議会においてご議論いただくとともに、市町村やパブリックコメントで寄せられたご意見を反映するなど、年度内の成案に向け、さらに検討を進めてまいります。

 続いて、本県の主要課題について、順次ご説明いたします。
 第一点目は、子育てに優しい社会の実現についてです。
 県では、「妊娠・出産から子育てまでの節目における経済的負担の軽減」「結婚を希望する方への支援」「子どもを生み育てやすい環境の整備」を三つの柱として、結婚から妊娠・出産・子育てまでの切れ目のない支援を強化・推進しております。
 経済的負担の軽減につきましては、金融機関と連携した本県独自の取組である「新潟県こむすび定期」について、10月20日に制度開始から1年が経過しました。これまでに約1万2千人の方から申請いただき、「子育てを応援してもらっているという前向きな気持ちになる」など、多くの方から評価をいただいております。引き続き、より多くの対象者の皆様から申請していただけるよう、子育てアプリやSNSなどの身近な方法も活用しながら、市町村等と連携して周知に取り組んでまいります。
 また、今年度、新たにスタートした「にいがた安心こむすび住宅推進事業」については、9市25戸の物件でリノベーションが、順次、始まったところです。年内には、こどもの事故防止や家族のふれあい等に配慮した、子育てに優しい住宅の販売を開始することが見込まれており、事業者とともに積極的な広報に努めてまいります。
 さらに、4月に施行されたこども条例を踏まえ、こども施策を総合的かつ計画的に推進するための「こども計画」の策定を進めております。先月27日には、こどもたちに対する意見聴取やアンケート結果なども反映した素案を有識者会議にお示しし、ご議論いただいたところです。今後、1月から始めるこどもたち向けのパブリックコメント等を踏まえ、年度内の策定に向け検討を進めてまいります。
 加えて、来月11日から、県立図書館に保育室「こむすびルーム」を開設し、保護者が安心して子供を預け、落ち着いて読書ができるよう、預かり保育をスタートいたします。このような社会全体で子育てを応援する取組も充実しながら、子育てにやさしい新潟県の実現に向けて取り組んでまいります。

 第二点目は、デジタル改革の実行についてです。
 生成AIをはじめとするデジタル技術が急速に進展する中、デジタル技術やデータを最大限活用し、人口減少下でも生産性や競争力を高め、様々な社会課題を解決することが求められています。
 先月5日には、行政や民間企業、教育機関などの経営層や中堅層を対象に、デジタル人材の育成と人的交流を促進し、生成AI等のデジタル技術の社会実装を目的とした「にいがた官民デジタル革新フォーラム」を開催し、多くの方に参加いただきました。
 今回のフォーラムを皮切りに関係者による勉強会や交流イベント等を継続的に開催することとしており、今後も市町村や民間企業等と連携しながら、活力ある豊かなデジタル社会の実現に向け取り組んでまいります。

 第三点目は、県民の安全・安心の確保についてです。
 能登半島地震を受けた対応として設置した、有識者による防災対策検討会については、これまでに3回の検討会を行い、委員の皆様から、地域防災力を高めるための自治体や地域における人材育成の必要性、津波発生時における車避難に関する検討の必要性、避難所の運営体制や環境整備の重要性などについて、ご意見をいただいたところです。
 年度内を目途にとりまとめを行い、今後の防災対策の強化に取り組んでまいります。
 また、近年、全国的に激甚化・頻発化する自然災害に対応するため、先般、国に対し十分な予算の確保と地方負担の更なる軽減、国土強靭化に関する施策の継続について要望してまいりました。これまで取り組んできたハード・ソフト両面における事前の防災・減災対策の重要性について、十分ご理解いただけたものと受け止めており、引き続き県民の命と暮らしを守るため、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、原子力防災対策の推進についてです。
 原子力防災訓練については、10月に緊急時モニタリング訓練を実施し、先月には柏崎市の社会福祉施設において、要配慮者の屋内退避及び搬送訓練等を実施したところです。また、来月には、冬季の原子力災害を想定し、住民や、国、市町村等関係機関も参加する総合訓練を実施することとしております。
 こうした訓練を繰り返し行うことにより、原子力災害発生時に備えた対応力のさらなる向上を図ってまいります。
 原子力災害時の住民避難を円滑にするための避難路の整備等については、先月28日、整備等の促進に向け、国と協議を行いました。
 この中で、複合災害時の避難の実効性をさらに向上させるため、柏崎刈羽原子力発電所を中心として放射状に6方向へUPZ外まで避難する経路について、土砂災害警戒区域等の法面対策や、未改良区間の拡幅、橋梁の耐震化等を優先的に整備していくことが確認されたところです。
 県といたしましては、最終的にこれまで要望した内容に沿った結論となるよう、今後も国と協議を進めて行くとともに、必要に応じ、改めて要望を行うことも検討してまいります。
 技術委員会における柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の確認については、現在、確認結果のとりまとめを行っているところであり、引き続き着実に進めてまいります。
 次に、地域医療の確保についてです。
 持続的な医療提供を支えるためには、その基盤となる医療人材の確保が不可欠です。
 このため、臨床研修医確保に向け、臨床研修病院において魅力向上や研修環境整備に尽力いただいたことに加え、県独自の研修コースの設置や、県外の人気病院と連携した研修プログラムの拡大等に取り組んできた結果、来年度の臨床研修医の内定者数は、前年同時期と比べ20名増の139名となりました。
 引き続き、本県の臨床研修の魅力を効果的に発信し、2次募集でのさらなるマッチングを図るなど、全国の医学生から本県での臨床研修を選択してもらえるよう取り組んでまいります。
 一方、人口減少に伴う医療ニーズの変化に加えて、物価高や賃上げの影響等により、病院経営は厳しさを増しており、県内全域で複数の病院を設置、運営している県病院局と厚生連では、共に厳しい経営状況からの脱却を目指し、改革の取組を進めているところです。
 先月26日に開催した「県病院局と厚生連の協議の場」では、互いの改革の進捗状況や経営改善の見通しを共有し、依然、厳しい状況にあるとして、抜本的に改革を進めていくためには、圏域ごとの医療再編を両者が一体となって加速させていく必要があることを確認いたしました。特に、上越圏域における医療再編については、圏域全体の機能強化を図るという観点から、まずは速やかに中核病院に求められる機能を果たすための運営主体や施設のあり方の協議を進めていくこととし、引き続き、年度内を目途に具体的な再編の姿を提示できるよう、様々な関係者のご意見も踏まえながら、検討を進めてまいります。
 また、地域医療を取り巻く厳しい経営環境や、医師の地域偏在は、他の自治体にも共通する課題であることから、先般、「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」として「地域医療を支える公立・公的医療機関等への経営の継続支援」と「真に実効性のある医師偏在是正に向けた総合的な対策」の実施を国に要請したところであり、引き続き、持続可能な医療提供体制の構築に向けて取り組んでまいります。

 第四点目は、交流人口の拡大についてです。
 「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録後から10月までの佐渡市の観光入込客数は、前年同時期と比べて1割増加し、年内の宿泊予約も前年より好調であると伺っております。
 県では、世界遺産登録の効果を県全体に波及させるため、先月から旅行予約サイトにおいて、県外からの誘客を図る観光キャンペーンを始めたところです。
 また、高付加価値旅行者の地方へのインバウンド誘客に向け、観光庁による集中的な支援を受けるモデル観光地として「佐渡・新潟エリア」が選定されたところであり、国の支援を最大限活用し、交流人口の拡大に取り組んでまいります。
 次に、大阪・関西万博についてです。
 大阪・関西万博は、関西圏や海外の方々に対して新潟が誇る様々な魅力を発信する絶好の機会と考えております。
 このため、万博の機運を醸成するとともに、万博を通じた本県の魅力をPRするため、先月、糸魚川市及び日本国際博覧会協会とともに共同記者会見を行い、本県催事の概要を発表したところです。
 具体的には、万博会場では県の石であるヒスイの展示のほか、本県の食の魅力の発信や、デジタル技術を活用した錦鯉や花火等の県産品の展示など、県内各地の多様な地域資源を来場者に発信し、本県の認知度を高めてまいります。
 加えて、会期前、会期中、会期後の各段階において、イベント開催や旅行商品の販売など様々な取組を会場内外で行うことで、県全体への誘客を図り、交流人口の拡大につなげてまいります。
 次に、ニューヨーク訪問についてです。
 県産品の米国への輸出促進等を目的として、10月下旬にニューヨークを訪問いたしました。
 現地では、日本をテーマとした複合商業施設においてテスト販売を行うとともに、バイヤーなどを対象とした県産食品PRイベントを開催し、トップセールスを行ったところです。参加者からは、「消費者の反応に直接触れることができた」「取引に繋がる有益な機会を得た」といった声が聞かれたところであり、今後の輸出拡大に繋がることを期待しているところです。
 また、ニューヨーク新潟県人会創立35周年記念式典では、ニューヨークをはじめ米国における本県の存在感向上に対し、ご協力をお願いしてまいりました。
 県といたしましては、今回の訪問を契機に県産品の輸出促進など、米国との交流促進に引き続き取り組んでまいります。

 第五点目は、交通ネットワークの整備についてです。
 米坂線の復旧に向けては、JR東日本から示された4つの復旧パターンにおける自治体の関与や負担等について協議を進めており、先月19日に開催された米坂線復旧検討会議において、自治体負担の観点も含め、どのような復旧方法が望ましいかについて議論を行ったところです。
 県といたしましては、地元の意向をしっかりと受け止めながら、山形県とも連携し、復旧への道筋が得られるようスピード感をもってJRとの協議を進めてまいります。
 一方、被災した鉄道の復旧及びローカル鉄道の維持に当たっては、自治体等の取組に対する国の支援が十分でないなどの課題があります。また、地域の基幹的な公共交通の役割を担う路線バスは、人口減少や運転手不足などの影響により、路線そのものの維持・確保が困難となっております。
 こうした課題は全国的に共通していることから、先月、全国知事会の国土交通・観光常任委員長として、地域公共交通を安定的に維持・確保できるよう、財政支援の充実などについて、国に特別要望を行ったところです。
 県といたしましては、今後の国の動向を注視しながら、引き続き、持続可能な地域の公共交通の確保に向け、市町村等の関係者等と連携し取り組んでまいります。

 第六点目は、付加価値の高い持続可能な農林水産業の実現についてです。
 令和6年産米の一等級比率は、きめ細やかな栽培管理が行われたことにより、昨年から大きく改善した一方で、作柄は7月の日照不足等の影響により、県全体で「やや不良」となっております。
 昨年の作柄も「やや不良」であり、本県の主食用米の生産量は2年連続で目標数量を確保できておらず、年間を通じた新潟米の安定供給に影響を及ぼす恐れがあります。
 このため、令和7年産の主食用米の生産目標については、目標値の設定に用いてきた翌年6月末の民間在庫の適正量を見直し、本年産よりも約1万9千トン多い56万2,400トンに設定することとしております。
 今後とも、異常気象下においても、新潟米を安定生産・供給できる技術的な対応を強化しながら、国内外の消費者や県内食品産業の需要に応える生産を着実に進めてまいります。
 あわせて、全国の消費者から新潟米を選び続けていただけるよう、コシヒカリと新之助をツートップに、食味と品質に優れた多彩な銘柄米を有することを強く印象付けるプロモーションを展開し、新潟米全体の需要拡大に努めてまいります。
 次に、鳥インフルエンザへの対応についてです。
 今シーズン、県内では、上越市と胎内市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生し、防疫措置を実施いたしました。例年より早く、野鳥の陽性が確認されており、全国的にも発生が続いていることなどから、環境中には既に広くウイルスが存在し、これまで以上に発生リスクが高まっているものと受け止めております。
 養鶏事業者に対し、より強い危機感を持って飼養衛生管理を徹底するよう、指導を強化するとともに、発生時の大量処分を回避するためにも、分割管理の導入を業界団体を通じて求めてまいります。

 第七点目は、北朝鮮による拉致問題についてです。
 5人の拉致被害者の方々が帰国されてから22年が経ちますが、いまだ具体的な進展は見られず、本当に残念でなりません。
 石破総理大臣は、所信表明において、拉致問題の解決は政権の最重要課題であり、全ての拉致被害者の帰国を実現するため、強い決意で総力を挙げて取り組むと表明されました。
 県は先月、「忘れるな拉致 県民集会」を新潟日報社、新潟市とともに開催し、拉致被害者等のご家族から、家族との再会の実現に向けて、時間のない差し迫った思いをお聞きしました。
 また、出席した内閣府副大臣に、県内各地で集められた約3万3千筆の署名をお届けし、私からも、米国をはじめ国際社会と一層緊密に連携し、拉致問題の早期解決に向けた北朝鮮との交渉を進めていただくよう強くお願いしたところです。
 県としましても、政府の取組を後押しするため、今後も、市町村長の会や支援団体等と連携し、若い世代を含め幅広い層に向けた様々な啓発活動を行っていくとともに、国への働きかけなど、しっかりと取り組んでまいります。

 第八点目は、行財政改革についてです。
 県庁が施策を着実に推進していくためには、職員が心身ともに健康で働きがいを持ち、能力を十分に発揮できる職場づくりを進めることが重要です。
 そのため、全庁を挙げて、より質の高い県民サービスの提供を目指して健康経営に取り組むこととし、10月には私自ら最高責任者となって「健康県庁宣言」を行い、今年度中の「健康経営優良法人」の認定取得に向けて申請を行ったところです。
 あわせて、こうした取組を積極的に発信することで優秀な人材の確保につなげるとともに、健康立県の実現に向けて、県内企業の健康経営の推進にも資するよう努めてまいります。

 最後に、国経済対策への対応についてです。
 国において、先般、日本経済・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心・安全の確保を柱とする総合経済対策が閣議決定されました。今後の補正予算の成立を踏まえ、県内の経済動向等を見極めながら、県としても必要な対策を検討し、適宜、追加の対策をとってまいります。

 続いて、提案しております主な議案についてご説明申し上げます。
 第135号議案は、一般会計補正予算案でありまして、総額42億4,855万9千円の増額補正についてお諮りいたしました。
 今回の補正は、令和6年能登半島地震からの復旧・復興等を図るため必要な経費について計上したところです。
 また、職員給与費等について、過不足額及び給与改定に伴う所要額を計上するほか、当初予算編成後の事由による緊急性のある経費について、あわせて計上しております。
 その結果、補正後の予算規模は、1兆2,995億7,453万2千円となります。

 次に、その他の議案についてご説明申し上げます。
 第136号から第140号までの各議案は、企業会計に係る補正予算案でありまして、事業実施上必要とするものについて、それぞれ補正するものです。

 次に、その他の主な条例案件等についてご説明申し上げます。
 第147号議案は、県知事の権限に属する事務の一部を市町村に移譲するため、第150号議案は、県立リウマチセンターについて、今年度限りで一部病棟を廃止のうえ、併設する県立新発田病院に統合するため、第153号議案は、建築基準法等の改正に伴い、建築確認審査の特例が改められたことから、建築確認申請に係る手数料の改定等、所要の改正を行うため、第157号議案は、道路交通法等の改正に伴い、運転免許関係事務及び自動車保管場所関係事務の手数料を改定するため、それぞれ、条例の所要の改正を行うものです。

 次に、第158号及び159号議案は、契約の締結及び変更について、第161号議案は、当せん金付証票の発売について、第163号から第167号までの各議案は、指定管理者の指定について、お諮りするものです。

 以上、主な議案の概要につきまして、ご説明申し上げましたが、何とぞ慎重にご審議のうえ、各議案それぞれについて、ご賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。

 


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