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株式会社新陽社
株式会社新陽社が行っている事業は、私たちの日々の暮らしのなかで欠かすことのできないものです。電車の時刻や行き先を表示する発車標をはじめ、駅ホームの照明、降雪のある地域における線路の融雪システム等、これらの開発から製造、設置工事までを行っています。主に東日本から北海道エリアに事業基盤を置く同社は、2020年夏に日本海側初となる拠点、新潟LABOを設けました。その役割は新システムの開発で、間もなく訪れる5G(第5世代移動通信システム)時代を見据えた新しい製品やサービスを新潟から生み出すことです。
今回は同社の代表取締役社長の佐坂秀俊さんと、新潟LABOの所長を務める柳 十四男さんがインタビューに答えてくださいました。新潟進出の背景、5Gの実証実験業務、そして佐坂社長が描く壮大な未来の構図――。新たな時代に向け、新潟を牽引する企業の声をお聞きください。
目次
- 日本海側初となる拠点を置いた理由
- 新陽社トップの新潟とのかかわり
- 自社の技術を活かした実証実験
- 新潟LABOの業務と採用状況
- 未来の新潟に期待すること
日本海側初となる拠点を置いた理由
リスク分散の観点と交通インフラの
充実が新潟進出の決め手
東京都港区に本社を構え、町田市には製造拠点である多摩境テクノセンターを構える株式会社新陽社。そのほか地方には、札幌、仙台、名古屋、大阪に支店を持ちますが、2020年7月に新たな地方拠点として、新潟駅前のマルタケビルに新潟LABOを開設しました。
「鉄道駅にある発車標などの電気掲示器や融雪システムの設計・製造が主です。JRグループとの仕事が多く、北海道、東日本から西日本までが弊社の大きな商圏となっています。製造部門は東京にあり、これまでは日本海側には拠点がありませんでした。しかし、自然災害など、もしもの時に備えてリスク分散の必要があると思っていましたし、その観点で将来的に新たなる製造拠点を置くことまでを視野に入れた時、新幹線や高速道路、新潟空港など交通の利便性から新潟が候補として挙がったのです。そこでまずは、足がかりとなるシステムの開発拠点を新潟に作ろうということで、新潟LABOを開設したのです」(佐坂さん)
事業継続計画の観点、自社の将来を見据えた交通インフラの充実ぶりからも新潟は非常に魅力的な場所として映ったわけです。
「新潟LABOが従来の鉄道関係とそれ以外の分野でのITシステム開発をメインにスタートを切ってから8カ月ほどが経ちました。業務自体は順調に進んでいて、2021年2月には多摩境テクノセンターで製造された5Gを活用した大型のデジタルサイネージを新潟市の万代シテイに設置しての実証実験が始まりました」(佐坂さん)
これには新潟県が行った5Gの活用を見据えた新しい製品やサービスの開発・実証を行う事業者の公募が背景にありました。新陽社と株式会社イーエムエス新潟の共同事業体が、この実証実験に採択されたことが新陽社の新潟進出を決定づけた形となりました。
株式会社新陽社<外部リンク>
住所
株式会社新陽社
本社
東京都港区芝三丁目4-13
tel.03-5418-8551
新潟LABO
新潟県新潟市中央区東大通一丁目4-1マルタケビル2階
tel.025-240-3088