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浄土川上流(長岡市渡沢町地内)において実施されている、浄土川通常砂防事業を紹介します。
浄土川通常砂防事業は、保全対象である渡沢町の人家や特別養護老人ホーム、集落開発センターなどを土石流(※1)から守る事を目的とした事業です。
浄土川は、長岡市・小千谷市にまたがる金倉山に源を発し、渡沢町内を流下して一級河川信濃川水系太田川に合流する河川です。浄土川上流には、土石流のもととなる土砂が厚く堆積しています。また平成16年の中越地震で山崩れによる河道閉塞(※2)等が発生したほか、平成29年7月豪雨では新たな山崩れが発生するなど、土砂災害の危険性が高まっていました。
浄土川で土石流が発生した場合、保全対象人家36戸をはじめ、特別養護老人ホーム、集落開発センター、県道等への甚大な被害が予想されます。
長岡地域振興局地域整備部では、砂防堰堤や山腹工の一体的整備により土砂災害対策を進め、早期に地域の皆様の安全・安心を確保できるよう取り組んでいます。
※1:山腹や川底の石や土砂が長雨や集中豪雨等によって一気に下流へ押し流される現象
※2:土砂で渓流が堰き止められる現象
浄土側通常砂防事業の位置
浄土川通常砂防事業の全体図
保全対象(事業によって土石流から守られるもの)は、人家36戸、特別養護老人ホーム1箇所、集落開発センター1箇所、県道320m、市道1550m、橋梁4基です。
上空からみた浄土川と渡沢町 ※施工中の第6号砂防堰堤はさらに上流です。
渡沢町内を流れる浄土川
特別養護老人ホーム
集落開発センター
令和1年度に山腹工が完成し、令和2年度は渓流保全工及び第6号砂防堰堤工を行っています。
工事平面図
施工現場全体写真
吹付法枠工は、斜面にモルタル製の連続した格子状の法枠を設置することで、斜面の安定を図る工法です。天神山地区急傾斜地崩壊対策事業でも採用されています。
浄土川上流の斜面では、大量の不安定化した土砂が川へ流出し、土石流となる恐れがありました。これを防止するため、山腹工(吹付法枠工)を施工しました。
吹付法枠工
コンクリートブロック積擁壁工は、コンクリート製のブロックを渓岸に積み上げることによって、崩れないよう保護する工法です。
(1)で紹介した山腹工下の渓岸は、浄土川の水衝部(※3)となっているため、時間が経つと水の浸食作用よって削られ、山腹工に悪影響が発生する恐れがあります。これを防止するため、コンクリートブロック積擁壁工を施工しました。
※3:水が強く当たるところ
渓流保全工
砂防堰堤工は、コンクリートの壁や鋼鉄の格子等によって土石流を止める施設です。現在は、第6号堰堤の建設を進めています。
第6号砂防堰堤計画位置
砂防堰堤のコンクリートを打設している状況です。25tクレーンにより、生コンクリートの入った打設用バケットを吊り上げながら打設します。複数回に分けて打設し、徐々に砂防堰堤を高くしていきます。
コンクリート打設状況