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新発田地域振興局では、地域をもっと面白くしようとする様々な方と局長とによる座談会を行っています。
第11回は「山岳手打ちそば一寿」を会場に、新発田市と胎内市にまたがる全長わずか13.5km、最高峰567.9mの「日本一小さい山脈 櫛形山脈」をテーマに懇談した模様をお届けします。
参加者(写真左より)
●大矢 大さん(胎内市商工観光課)
●神田 真由美さん(板額会事務局)
●土屋 美幸さん(一般社団法人五頭自然学校)
●板垣 一寿さん(山岳手打ちそば一寿店主)
●馬塲 政雄さん(加治川山の会会長)
●丹後 裕子さん(胎内MPC(マウンテンパワークラブ))
●阿部 久紀(新発田地域振興局長)
・加治川山の会では旧登山道の復活を行った。また、春の大峰山ハイキングの登山ガイド、新発田市から委託を受け登山道整備、山小屋の維持管理などを行っている。
・旧加治川村が「日本一小さい山脈」と名付けPRし、大峰山頂上付近にチェリーヒュッテ大峰(山小屋)を建設した。チェリーヒュッテは冬場は特に人気がある。また、旧加治川村・旧中条町及び新発田市で櫛形山脈のマップをひとつにまとめたものを作成した。
・中条山の会の名前が変わり、胎内MPCとなった。活動は櫛形山脈の縦走登山ガイド及び胎内市内の里山のガイド、山道の整備等。自身が入会した当初よりも人数が減り、年齢層も高くなってきている。また、胎内MPCは女性が多いため、山道の整備、やぶ刈りに苦労している。
・田上町の護摩堂山(ごまどう山)は櫛形山脈と同じく城址、石切場がある。登山道には歴史などを紹介する看板が立っていて、アピールが上手だと感じた。自身が登山ガイドをしている時も、山の歴史の説明をすると喜んで聞いてもらえる。櫛形山脈も歴史を感じながら登ることができる山なので、来た人に楽しんでもらえるような工夫、アピールが必要だと感じる。
・板額会は鎌倉時代に実在した弓の名手「板額御前(はんがくごぜん)」(日本三大御前の一人)を広く知ってもらうために活動している。毎年、秋には板額御前の生涯を演劇で紹介したり、弓矢体験等ができる「板額の宴」を開催している。
・平成13年(西暦2001年)に「板額御前奮戦800年記念イベント」が開催され、その翌年に板額会が設立された。イベントの手伝いを通して板額御前の存在を知り、魅力を感じたため入会した。
・子ども向けに「板額御前物語」というマンガを作成するなどして、若者に向けてアピールしているため、会には若い人が多いのが特徴。そのためアイデア、機動力はあるが歴史に疎いため、先輩に教わりながらPRをしていきたい。
板額会Facebook<外部リンク>
板額御前(胎内市)<外部リンク>
鳥坂城を仰ぎ見る板額御前像(中条駅東口前)
・日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(座談会第8回「五頭連峰を活用した地域活性アイデア」にも参加)
・現在は低登山ブーム。「日本一小さい山脈」はとてもインパクトがあり、うまくPRすれば人は来るのではないか。櫛形山脈は標高は低いが、ブナ林や花木、日本海の眺めなどを一日で楽しむことができる素晴らしい山。
・学生、若者に魅力を感じてもらい、取り込んでいくことが必要である。
一般社団法人五頭自然学校<外部リンク>
・大峰山桜公園には100種類以上の桜が植栽されているが、立札に書かれている桜の種類が間違っていることに気付き、5年ほどかけて調べ、正しいものに付け替えた。また、近くの橡平(とちだいら)サクラ樹林は国の天然記念物に指定されている。大峰山の桜は冬に咲くものもあり、毎年10月から6月中旬まで様々な種類の桜が楽しめる場所。大峰山で発見された「大峰桜」という木もある。今後はそれらをデータに残して、後世に引継いでいくことが必要である。日本人は桜が好きなので、桜はPRに有効だと感じている。
・櫛形山脈は板額御前や佐々木三郎盛綱など歴史ロマンを感じられる場所。歴史、温泉、羽越本線、日本一小さい山脈と魅力的なコンテンツがたくさんあるので、それらを結びつけ、縦走証明書を発行するなどしてPRすればもっと人気がでてくる。
山岳手打ちそば一寿<外部リンク>
・令和6年4月から現職。「日本一小さい山脈」をPRして、今後はソフト面を中心に整備していくことが必要だと感じている。
・毎年春に開催している縦走登山は、市外からの参加者も多く人気がある。初参加の方も多く、インターネット等を通して知ったようだ。登山以外にも目的ができるよう、食なども結びつけて更にPRしていきたい。
大峰山桜公園
日本一小さい山脈に人を呼び込むためにはどうしたらよいか、櫛形山脈を活用した地域活性化について、和やかな雰囲気の中、意見交換が行われました。
その一部をご紹介します。
■学校の総合学習の授業で、櫛形山脈をテーマに扱ってもらうのもいいのではないか。その際はぜひみなさんにインタビューなどの協力をお願いしたい。山の会の方達は、学校登山などのイベントがあれば事前に登山道を整備するなどして、安全に登山ができるよう準備してくれている。その過程も知ってもらうといいのではないか。
(局長)初心者向けの案内、事前の情報(登山に適した格好、登山口にたどり着くまでの道、駐車場など)が欲しいところ。携帯電話がつながるというのもアピールポイントだ。
■今あるマップをもっと活用して、情報を足していくといいのではないか。ルートもいくつか設定(初心者向け、上級者向け)して、マップに記入するというのもある。国道290号側に抜けるルートもあると良い。
■櫛形山脈は2市にまたがっているため、チームを組んでお互いに協力していくことが大切だと感じる。
■若い人には、「山は好きだが、会に所属するのはちょっと…」という人もいる。入会しても関わり方は色々あり、各々ができることをすればよい。気楽に参加できるというようなアピールが必要だ。
■関心のある人達がゆるく繋がる形にしておいて、必要な時に広く声掛けする仕組みにすると、次の世代の担い手が育っていくのではないか。その際に、ついでに他のコンテンツもあわせて宣伝するとよい。
■願文山は吾妻鏡(鎌倉幕府の歴史書)にも登場する。奥山荘、板額御前などコンテンツはたくさんある。登山、桜、歴史、温泉、羽越本線などさまざまなコンテンツをみんな絡めて、縦走証明書を発行するなどしてアピールしていくとよい。
【座談会を終えて局長つぶやき】
新発田市と胎内市にまたがる”日本一小さな”「櫛形山脈」への誘客増進に向けて、両市で活動するヒト達と意見交換した。面白みある豊富な歴史話や学術的にも美しさでも価値ある多種の桜木など、魅力満載の地域資源であることを皆で再確認。各々の取組を具体に連携させる実効ある提案などで意気投合できました。
山頂付近のブナ林
「第1回地域ふるわせ座談会 新発田をもっと面白くしようとする方々」はこちら
「第4回地域ふるわせ座談会 新潟職業能力短期大学校」はこちら
「第8回地域ふるわせ座談会 五頭連峰を活用した地域活性化アイデア」はこちら
「第10回地域ふるわせ座談会 加治川一帯の一層の活性化、賑わいづくりについて」はこちら