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江戸から明治にかけて北海道(蝦夷)と大阪(大坂)の間を、荷物を売買しながら往来する北前船が胎内市にも寄港していました。
寄港地に息づく北前船の魅力を訪ねる記事を掲載します。
(図)北前船航路図(胎内市教育委員会作成)
目と鼻が付いたような独特の意匠の屋根の荒川神社(写真1)は、北前船で栄えた荒川三湊の一つ、桃崎浜の高台に建っています。地元廻船問屋のみならず、新潟、酒田、能登などの船主も航海の安全を祈願し船絵馬をこの神社に奉納しました。昭和40年までは奉納された船絵馬86枚(天保8年~明治11年)が社殿の壁を埋め尽くしていましたが、現在は境内左手にある桃崎浜文化財収蔵庫に保管、展示されています。御祭神は天鈿女命(あめのうずめのみこと)で、社殿内には大阪の船絵馬師、吉本善京筆による「天岩戸絵図」(あまのいわとえず)が掲げられています。
天保12年(1814年)に建立された神社は、重厚で装飾性に優れた建築で、令和元年に国の登録有形文化財に登録されています。毎年10月第二日曜日に行われる荒川神社のお祭り(写真2)では、江戸時代に奉納された全長3.5メートルの模型和船(国重要文化財)をおしゃぎり屋台に載せ、木遣りを唄いながら集落内を練り歩きます。
※天鈿女命(あめのうずめのみこと)
日本神話に出てくる女神。天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸にこもった際、踊って天照大神を外に
誘い出した。
文責 胎内市生涯学習課 文化・文化財係
写真1 国登録有形文化財「荒川神社本殿・拝殿(はいでん)及び幣殿(へいでん)」
写真2 荒川神社大祭の様子(毎年10月第二日曜日)