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当日は県内から145名、県外から70名の方にご参加いただきました。
基調講演では、岡本哲志様から「港町・新潟の価値と可能性 ~川と海の結節点に描かれた都市空間の履歴~」についてご講演いただきました。岡本様は、日本各地の都市と水辺空間の調査研究を行われており、港町の調査研究は60箇所以上も行っておられます。他の都市との比較や新潟の都市空間の履歴を読み解きながら、港町としての類似性や新潟の独自性が明らかにされていきました。かつての新潟には、堀割が走っていましたが、1964年の新潟国体を前に埋め立てられました。現在では、近代の堀が再生されてきていますが、景観として美しいというだけでなく、水辺に人の活動があるかどうかが重要な問題であるとのお話をいただきました。
<基調講演の様子>
パネルディスカッションでは、駒木定正様、中野奈美子様、野内隆裕様の3名のパネリストの方から、それぞれが所属する団体の紹介や活動内容について説明していただきました。
駒木様からは、小樽運河保存の市民運動から始まるまちづくりなどについて発表していただきました。1970年代、小樽では、運河を埋めて道路を建設する工事が始まりましたが10年以上に及ぶ議論の末、運河の半分を埋める現在の姿に変更されました。この時の議論がもとになり、現在では市民・行政・経済界が協力してまちづくりに取り組んでいこうという姿勢になっているそうです。また、新潟出身の棟梁が小樽へ行き、小樽のまちの中核を担う建造物の建設に携わったとのお話もありました。
中野様からは、佐渡市の小木の歴史や小木・宿根木におけるまちづくりの取り組みについて発表していただきました。寄港地として栄えた小木、船主や船大工の集落として栄えた宿根木には、歴史的建造物が残っており、各種イベントの開催やカフェの営業など、その魅力を伝える活動が行われています。また、宿根木は県内唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されていますが、小木もこの重伝建地区の選定に向けて取り組みを行っているとのことでした。
野内様からは、新潟の小路の話や日和山について発表していただきました。町の魅力発信のため、小路の案内板や地図の作成からスタートした活動に、新潟市も関わるようになり、本格的な案内板や地図、シティガイドの誕生につながりました。また、日和山の魅力発信のため、講座等を開催していくうちに、地域の方や学生が協力するようになり、新潟市も含め多くの人が関わり、日和山が綺麗に整備されました。こうした取り組みが評価され、2013、2014年にグッドデザイン賞を受賞されています。
コーディネーターを務めていただきました西村様からは、パネリストの発表の後で、それぞれの活動などについての質問やパネルディスカッションを通しての講評をしていただきました。
<パネルディスカッションの様子>
最後にまちなみネットワークの取組報告です。当日は、上越・中越・下越・佐渡それぞれの地域でまちづくりに取り組まれている13人の方から、現在の取り組み状況や今後の取り組みなどについて、報告していただきました。
<まちなみネットワークの取組報告の様子>
来年度は佐渡市で開催予定です。皆さま、是非ご参加ください。