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24時間 365日いつでも案内します!~糸魚川駅改札前観光案内所「アバター接客さくらさん」~2(新潟の未来図鑑withデジタル)
観光案内所の救世主
佐藤 さくらさんの導入のきっかけは何ですか?
中澤 もともと観光案内所は、JR糸魚川駅内に北口、南口、改札前のボックス型案内所の3か所あったのですが、人手不足で改札前の案内所を廃止しようかという検討をしている中で、何かないかと探してみたら、AIで接客できるというものを見つけました。その後、実際にメーカーに伺って対応品質などを確認して、これなら大丈夫そうだということで導入に踏み切りました。実は、ボックス型観光案内所にはエアコンも暖房もなくて、夏は暑いし、冬は寒いしでかなり厳しい環境でした。また、英語が話せるスタッフも数名しかいなくてポケトークで対応している状態でした。
佐藤 冷暖房なしは厳しいですね。体調を崩されたスタッフの方がいなければ良いのですが。実際導入してどのくらい利用されているのですか?
中澤 日ごとの利用者数は出していないですが、週末は100名以上、月平均500~600名くらいの方に利用してもらっています。質問回数でいうと1,500回くらいですね。
佐藤 最近は新型コロナウイルスの対応も緩和されインバウンド需要も高まってきているかと思うのですが、利用者割合はどんな感じですか。
中澤 外国人観光客の方は確かに増えてきていますが、利用割合でいうと約9割が日本人ですね。近県の方は車で来られる比率が高いので、あまり利用はないようですが、割と関東の方が多いと感じています。北陸新幹線の効果もあると思っています。
佐藤 具体的にはどんな質問が多いのですか。
中澤 これまで1年間やってみて1番多い質問は、トイレの場所です。次が、美味しい食べ物に関して。その次が、駅弁買えますかという順です。さくらさんへの質問などはデータとして蓄積していて、そのデータを基にトイレの場所が分かりやすいよう表示の変更を検討したり、駅弁についても今はどこも販売していないのですが、地域の事業者と新たに販売に向けた検討を始めています。
佐藤 利用者の質問をデータとして活かして困りごとの解決につなげたり、新たな取組を始めたりと素晴らしいですね。さくらさんを導入して1年になりますが、もっと改善したいという点はあるのですか。
中澤 質問への回答後にアンケートを実施しているのですが、95%以上は期待通りとの回答をもらっているので、割と成績は良いのかなと思っています。最近、機能強化のアップデートがあって、今までは質問に対して単純に候補を表示するだけだったのですが、候補がたくさんある場合にさくらさん側から候補を絞るような問いかけをするようになりました。一段と成長しているというかまだまだ使い勝手が良くなっていくと感じています。