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一歩先の知見を得るために、一歩先の知見をより高い社会貢献のために~200年後の社会の礎を築く総合建設コンサルタントのAI活用術~2(新潟の未来図鑑withデジタル)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0640641 更新日:2024年2月19日更新

匠の知見を活用しAIも人も進化する【地質調査:分析編】

中山 実は目指してるのは撮影そのものではなくて、そのコア写真を画像解析することで、これは何とか礫、何とか層、何とか砂とか、概略の地質種類を判別できるシステムにすることです。最初は、地質調査系の役員にこんなものはできないと叱られました(笑)。

佐藤 失礼ですけど、よくあることですね(笑)。

中山 うちの技術者は膨大な数のコアを見てきて、古くからの地層の成り立ちなど知見もあるので、それをAIに搭載しなければ、システムは動き出さないのです。それを知ってほしくて、あなたたちがいるうちにやりたいのだと言っていたら、最近では「半年くらい経つけど、まだ声掛からないの?」と言われています(笑)。

キタック 道路・構造部 門口次長

佐藤 いろいろなサンプルをAIに学習させて、学習の中でモデルがいっぱいできて、そのモデルに対して、匠のコメントが欲しいわけですよね。

門口 来月くらいからベテラン技術者に意見をもらう予定です。いろいろ言われたことをどんどんクリアしていくことで、苦労はするでしょうけれど、そこに時間をかけていいものにしていきたいと思っています。

佐藤 専門的なお話かもしれないですけれど、どういう分析をするのですか?

門口 道路を造ったり盛土をする場合など、設計の前にその範囲のコアを採取して確実な情報をデータ化します。地質種類は、基本的に人の観察で、見たり、触ったりして、砂なのか、粘土なのか、岩盤なのか判別し記録します。また、地震で液状化するかなどを判断するために、追加試験によって地質を数値化するのです。人しかわからない感覚的な部分が、AI画像解析による数字によって根拠の裏付けとなれば技術伝承しやすくなるのではないかと。医学と一緒ですね。

設計分野ではBim/Cimにも積極的に取り組んでいる

注 BIM/CIM:建設事業で取扱う情報のデジタル化により、調査・測量・設計・施工・維持管理等の各段階のデータ活用・共有を容易にし、建設事業全体における一連の建設生産・管理システムの効率化を図ること。

中山 地質調査業は、まだ明治維新以降の新しい技術で、液状化も新潟地震で初めて解明されました。コア採取も人が大事で、ボーリングマシーンのオペレータが上手かどうかで採れるものが変わります。難易度の高い現場は、絶対あの人でなければ駄目だということがあるのですよ。

佐藤 全部がAIじゃないということですよね。人とどう折り合いをつけるか、共存するかというのは、これからも継続して考えていくテーマですね。

門口 AIの精度は良くなっていくはずですが、人間でもまだわかってない部分は、多分AIでは判断できないでしょう。相方にはなるけれど、AIの言うとおりにはならないと思います。基本的には人がいて、その横にAIがいるという形をイメージしています。

中山 今35~45歳のエンジニアがいません。その上の年代のエンジニアが減少していくので、若い人が自分で経験して知見を積む時間がありません。早急にレベルを上げてもらおうと考えています。自動化して手間が省けることをデジタルでやってもらい、本当にすべきことに時間を費やさせたいというのが一番です。若い人には、今まで作業をしていた時間を知見を磨くために使ってほしい。デジタル化で、働き方改革にもつながると思います。

門口 若い人には、早くいろいろ覚えて欲しいですね。AIの回答に対して、若い人は「こう思う」、ベテランは「いや違う」と、それをまたAIが学習するという循環を作りたいと思います。

佐藤 人をAIに置き換えるつもりで使うのではなく、人もAIも両方お互いに進化していくために、人の知見をもっともっと上げるためにAIを活用していくということですよね。​

 

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