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新潟県福祉のまちづくり条例について
新潟県では、平成8年3月に「新潟県福祉のまちづくり条例」を制定し、高齢者、障害者等が地域社会で安全かつ快適に、自由に活動できるような福祉のまちづくりを進めています。
また、「新潟県福祉のまちづくり条例」に適合する建物の新設・改修を行う方のために低利融資の制度もありますので御利用ください。
- 施行規則(平成28年10月1日施行)のダウンロード[PDFファイル/1.0MB]
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- 条例の解説のダウンロード[PDFファイル/203KB]
- 事前協議等様式のダウンロードはこちら(注:平成28年10月1日より様式が変更となりました。)
1 新潟県福祉のまちづくり条例の概要
- 目的(条例第1条)
高齢者、障害者等の自立と社会参加を促進するために、生活環境の整備を図る施策を推進し、もって、豊かな福祉社会の実現に寄与する。 - 責務(条例第3条~第6条)
福祉のまちづくりを推進していくためには、県、市町村、事業者及び県民がそれぞれの立場で、その責務を果たしていくことが重要である。県民総参加による福祉のまちづくり推進のため、責務の明確化を図る。 - 施策の基本方針(条例第7条)
県の施策は、福祉のまちづくりへの県民の理解の促進、公共的施設等の整備、コミュニケーションの確保を基本方針として計画的に実施する。 - 整備基準等(条例第10条、規則第4条、別表第1及び別表第2)
公共的施設における多数の利用に供する出入口、廊下、階段等について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できる構造及び設備についての整備基準を定める。また、より安全かつ快適に利用できるための目標となる基準を定めることができることとした。 - 公共的施設の整備基準遵守等(条例第11条及び第12条)
公共的施設の新設等をしようとする者は整備基準を遵守し、既存の公共的施設所有者は整備基準への適合に努めるものとする。 - 整備基準適合証の交付(条例第14条、規則第5条)
新設等、既存を問わず、公共的施設が整備基準に適合している場合は、施設所有者等の請求により適合証を交付することができる。 - 事前協議(条例第15条~第18条、規則第6条~第8条及び別表第1)
一定の規模の公共的施設(特定公共的施設)については、新設等をしようとする者に対し、工事着手の30日前までに協議を求め、当該施設が整備基準に適合しない場合は、必要な指導及び助言を行うことができる。 - 勧告、公表(条例第19条及び第20条、規則第9条)
事前協議を行わないで工事を行ったり、協議の内容と異なり、かつ、整備基準に適合しない工事を行う場合は、事前協議制度の実効性を確保するため、必要な勧告を行うことができる。正当な理由がなく勧告に従わない場合は、その旨を公表することができる。 - 既存特定施設の状況把握(条例第21条、規則第10条)
既存の特定施設の所有者等に対し、整備基準への適合状況について報告を求めることができ、必要がある場合は指導及び助言を行うことができる。 - 公共車両等の整備(条例第23条)
移動手段としての公共交通機関の整備の重要性から、交通事業者に対し、整備努力を求める。 - 住宅の整備(条例第24条)
だれもが高齢化を迎え、事故や病気によりハンディキャップを持つ可能性があることから、これらに備えた住宅整備についての視点を促すため、整備努力を求める。
2 新潟県福祉のまちづくり条例
新潟県福祉のまちづくり条例
平成8年3月29日新潟県条例第9号
- 改正 平成11年12月27日条例第44号
- 改正 平成15年7月22日条例第51号
- 改正 平成18年10月24日条例第51号
- 改正 平成18年12月27日条例第62号
- 改正 平成24年12月28日条例第57号
- 改正 平成26年12月25日条例第82号
- 改正 平成27年12月25日条例第53号
目次
前文
- 第1章 総則(第1条―第6条)
- 第2章 施策の基本方針等(第7条―第9条)
- 第3章 施設等の整備
- 第1節 特定道路及び特定公園施設の整備(第9条の2)
- 第2節 公共的施設の整備(第10条―第14条)
- 第3節 特定公共的施設の整備(第15条―第22条)
- 第4節 公共車両等及び住宅の整備(第23条・第24条)
- 第4章 雑則(第25条・第26条)
附則
豊かな自然の中で温かい人の心がはぐくまれたこの地において、老いも若きも、障害のある人もない人も、誰もが、その基本的人権を尊重され、安心して暮らせる人にやさしい福祉社会を実現することは、私たち県民すべての願いである。
こうした社会を実現するためには、高齢者、障害者等の行動を阻む物理的又は心理的な障壁等の除去を通じて、すべての人が自由に活動でき、主体性を保ちながら社会参加できるように、福祉のまちづくりを進めていくことが必要である。
ここに私たちは、県民一人ひとりが豊かさを実感できる住みよい新潟県の実現を図るため、県民総参加による福祉のまちづくりを推進していくことを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
目的
第1条 この条例は、福祉のまちづくりについて、県、市町村、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、高齢者、障害者等の自立と社会参加を促進するために、県民の理解の下で、高齢者、障害者等が安全かつ快適に地域で生活できるような生活環境の整備を図る施策を推進し、もって、豊かな福祉社会の実現に寄与することを目的とする。
定義
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
- 高齢者、障害者等 高齢者、障害者、妊産婦その他の者で、日常生活又は社会生活において行動上の制限を受けるものをいう。
- 特定道路 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。以下「法」という。)第2条第9号の特定道路をいう。
- 特定公園施設 法第2条第13号の特定公園施設をいう。
- 公共的施設 病院、百貨店、社会福祉施設、銀行、官公庁舎、道路(特定道路を除く。)、公園(特定公園施設を除く。)その他の多数の者の利用に供する施設で、規則で定めるものをいう。
- 公共車両等 一般旅客の用に供する鉄道の車両、自動車及び船舶で、規則で定めるものをいう。
- 施設等 公共的施設その他の施設及び公共車両等をいう。
県の責務
第3条 県は、事業者及び県民の参加と協力の下に福祉のまちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するように努めるものとする。
2 県は、自ら所有し、又は管理する施設等について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように配慮し、及び整備を進めるように努めるものとする。
市町村の責務
第4条 市町村は、福祉のまちづくりに関し、県の施策に協力するとともに、その区域の実情に応じた施策を策定し、及び実施するように努めるものとする。
2 市町村は、自ら所有し、又は管理する施設等について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように配慮し、及び整備を進めるように努めるものとする。
事業者の責務
第5条 事業者は、県又は市町村が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するように努めるものとする。
2 事業者は、自ら所有し、又は管理する施設等について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように配慮し、及び整備を進めるように努めるものとする。
県民の責務
第6条 県民は、県又は市町村が実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するように努めるものとする。
2 県民は、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように整備された施設等の利用の妨げとなる行為をしてはならない。
第2章 施策の基本方針等
施策の基本方針
第7条 県は、第1条の目的を達成するため、次に掲げる基本方針に基づく施策を計画的に実施するものとする。
- 福祉のまちづくりについて、事業者及び県民が理解を深めるようにするとともに、それらの者の意識の高揚を図ること。
- 高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように施設等の整備を促進すること。
- 高齢者、障害者等の円滑な意思の疎通のための手段及び高齢者、障害者等に対する適切な情報提供の充実を図ること。
2 県は、前項の施策の実施に当たっては、高齢者、障害者等の自立と社会参加を促進するための各種施策との調整を図るものとする。
財政上の措置
第8条 県は、福祉のまちづくりを推進するため、必要な金融上の措置その他の財政上の措置を講ずるように努めるものとする。
推進体制の整備
第9条 県は、市町村、事業者及び県民と連携して福祉のまちづくりを推進するための体制の整備に努めるものとする。
第3章 施設等の整備
第1節 特定道路及び特定公園施設の整備
第9条の2 知事は、法第10条第1項の道路移動等円滑化基準及び法第13条第1項の都市公園移動等円滑化基準を、規則で定めるものとする。
第2節 公共的施設の整備
整備基準等
第10条 知事は、公共的施設における出入口、廊下、階段、昇降機、便所、駐車場その他の部分であって多数の者の利用に供するものの構造及び設備の整備に関し、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるようにするための必要な基準(以下「整備基準」という。)を、規則で定めるものとする。
2 知事は、整備基準のほか、高齢者、障害者等がより安全かつ快適に公共的施設を利用できるようにするための目標となる基準を定めることができる。
整備基準の遵守
第11条 公共的施設の新設(用途を変更して公共的施設にする場合を含む。)又は改修(建築物については、増築、改築、大規模の修繕及び大規模の模様替えをいう。)(以下「新設等」という。)をしようとする者は、整備基準を遵守するものとする。ただし、敷地の状況、建築物の構造その他やむを得ない理由により整備基準に適合させることが著しく困難である場合として規則で定める場合は、この限りでない。
既存施設の整備
第12条 この節の規定の施行の際現に存する公共的施設(新設等の工事中のものを含む。)を所有し、又は管理する者は、当該公共的施設を整備基準に適合させるための措置を講ずるように努めるものとする。
維持保全
第13条 公共的施設を所有し、又は管理する者(次条において「施設所有者等」という。)は、当該公共的施設を整備基準に適合させたときは、当該適合させた部分の機能を維持するように努めるものとする。
整備基準適合証の交付
第14条 施設所有者等は、当該公共的施設が整備基準に適合している場合は、規則で定めるところにより、整備基準に適合していることを証する証票(次項において「適合証」という。)の交付を知事に請求することができる。
2 知事は、前項の規定による請求があった場合において、当該公共的施設が整備基準に適合していると認めるときは、規則で定めるところにより、当該施設所有者等に対し、適合証を交付するものとする。
第3節 特定公共的施設の整備
事前協議
第15条 公共的施設であって規則で定めるもの(以下「特定公共的施設」という。)の新設等をしようとする者は、その計画(整備基準に適合させるべき部分を含まない計画を除く。)について、規則で定めるところにより、あらかじめ知事に協議をしなければならない。当該協議に係る計画を変更しようとするときも、同様とする。
2 特定公共的施設の新設等をしようとする者が、法第14条第1項の規定により同項の建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない当該特定公共的施設について、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による確認の申請書を提出したときは、当該建築物移動等円滑化基準において整備基準に適合させるための措置と同等以上の措置が定められている事項については、前項の規定による協議をしたものとみなす。
指導及び助言
第16条 知事は、前条第1項の協議があった場合において、当該協議に係る特定公共的施設が整備基準に適合しないと認めるときは、当該協議をした者に対し、必要な指導及び助言を行うことができる。
工事完了の届出
第17条 第15条第1項の協議をした者は、当該協議に係る工事を完了したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
完了検査
第18条 知事は、前条の規定による届出があったときは、当該届出に係る特定公共的施設が整備基準に適合しているかどうかについての状況(以下「整備基準適合状況」という。)の検査を行うものとする。
勧告
第19条 知事は、特定公共的施設の新設等をしようとする者が第15条第1項の協議を行わずに工事に着手したときは、当該協議を行うべきことを勧告することができる。
2 知事は、第15条第1項の協議をした者(同条第2項の規定により協議をした者とみなされる者を含む。)が、当該協議の内容と異なる工事を行い、かつ、その工事により新設等をされる特定公共的施設が整備基準に適合しないときは、当該協議の内容の工事を行うことその他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
公表
第20条 知事は、前条第1項又は第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくその勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。この場合において、知事は、あらかじめその勧告を受けた者に対し意見を述べる機会を与えなければならない。
既存特定公共的施設の状況把握
第21条 知事は、必要があると認めるときは、この節の規定の施行の際現に存する特定公共的施設(新設等の工事中のものを含む。)を所有し、又は管理している者(次項において「既存特定公共的施設所有者等」という。)に対し、規則で定めるところにより、当該特定公共的施設の整備基準適合状況について報告を求めることができる。
2 知事は、前項の報告があった場合において、当該報告の内容を勘案し、既存特定公共的施設所有者等に対し、必要な指導及び助言をすることができる。
立入調査
第22条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、特定公共的施設に立ち入り、整備基準適合状況について調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第4節 公共車両等及び住宅の整備
公共車両等の整備
第23条 公共車両等を所有し、又は管理する者は、当該公共車両等について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように整備に努めるものとする。
住宅の整備
第24条 県民は、その所有する住宅について、居住する者が将来にわたり安全かつ快適に利用できるように整備に努めるものとする。
2 住宅を供給する者は、当該住宅について、高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるように整備に努めるものとする。
第4章 雑則
国等に関する特例
第25条 国、地方公共団体その他規則で定める者(次項において「国等」という。)については、第3章第3節の規定は、適用しない。
2 知事は、国等に対し、その所有し、又は管理する特定公共的施設の整備基準適合状況について、報告を求めることができる。
事務処理の特例
第26条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の17の2第1項の規定に基づき、この条例及びこの条例の施行のための規則に基づく事務のうち、次の表の左欄に掲げる事務は、それぞれ同表の右欄に掲げる市町村が処理することとする。
事務 | 市町村 |
---|---|
1 次に掲げる事務
|
各市町村 |
1の2 次に掲げる事務
|
長岡市、三条市及び上越市 |
2 次に掲げる事務であって、公共的施設の用途面積(その用途に供する部分の床面積の合計面積をいう。以下同じ。)の合計が2,000平方メートル以上である建築物の全部又は一部を構成する公共的施設及び特定公共的施設に係るもの以外のもの
|
各市町村 |
2の2 次に掲げる事務であって、公共的施設の用途面積の合計が2,000平方メートル以上である建築物の全部又は一部を構成する公共的施設及び特定公共的施設に係るもの以外のもの
|
十日町市、見附市、村上市及び燕市 |
3 次に掲げる事務であって、公共的施設の用途面積の合計が2,000平方メートル以上である建築物の全部又は一部を構成する公共的施設及び特定公共的施設に係るもの
|
建築基準法第4条第1項又は第2項の規定により建築主事を置く市町村 |
4 次に掲げる事務であって、公共的施設の用途面積の合計が2,000平方メートル以上である建築物の全部又は一部を構成する公共的施設及び特定公共的施設に係るもの
|
各市町村(建築基準法第4条第1項又は第2項の規定により建築主事を置く市町村を除く。) |
委任
第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成8年4月1日から施行する。ただし、第3章(第3節を除く。)及び第25条の規定は、平成8年10月1日から施行する。
附則(平成11年条例第44号)抄
この条例は、平成12年4月1日から施行する。
附則(平成15年条例第50号)
この条例は、平成15年9月1日から施行する。
附則(平成18年条例第51号)
この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
(施行の日=平成18年12月20日)
附則(平成18年条例第62号)抄
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成24年条例第57号)抄
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成26年条例第82号)抄
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成27年条例第53号)抄
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
新潟県福祉のまちづくり条例に関するお問い合わせ先
障害福祉課 計画推進係
住所:新潟市中央区新光町4番地1
電話: 025-280-5211
ファクシミリ: 025-283-2062
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