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地域をつないで走ります🚌~弥彦村「自動運転バス」~3(新潟の未来図鑑withデジタル)
住民の生活ニーズを反映して街づくりに活かしていきたい
佐藤 自動運転バスを導入しての課題は何ですか?
宇野 まずは、村民の方にもっと利用してもらうにはどうしたら良いかということです。通年運行を始めてから毎月徐々に利用者が減っています。最初のうちは村外から珍しさで利用していた方もいたと思うのですが、公共交通なので村民の方にきちんと利用してもらわないといけないですから。それから、冬場の走行です。今年は小雪だったので、ほとんど問題はなかったのですが、風が強い日に雪が降って吹雪状態になるとどうなるかが分からない。センサーが反応して止まってしまいます。それがうると思うのですが、どの程度で感知するかの検証が十分にできなかったので、今年度確認が必要だと思っています。
佐藤 利用を増やすというと利用状況のデータを分析して、ルート等を考えないといけないですよね。
宇野 はい。まずは、現在利用している人のデータ分析、何曜日の何時の利用者が多いとか、どの停留所を多く利用しているかなどをしっかり分析したいと思っています。村民の方から「ちょっと飲んだ後に利用できたらいいのに」とか「燕市のスーパーまで行けたら」などの声もいただいているので、データの分析結果と併せて路線や運行時間、バス停の場所なども検討してい きたいと考えています。自動運転バスの導入がゴールではなく、よりあるべき形に変えていく仕事がようやくスタートしたというところです。村民の生活ニーズをきちんと把握し、それを反映することで、村の街づくりにも使っていきたいと考えています。将来的には、「やひこ号」も含めた公共交通全体のルート見直しまでできたらと思っています。「やひこ号」は幹線を通るルート、自動運転バスが集落と「やひこ号」をつなぐという形で全体の効率化と利便性の向上ができるといいなと考えています。その中でオンデマンド交通も検討していくことになると思います。
佐藤 自動運転バスの導入がゴールではなく、スタートというのは、まさにその通りですね。住民にとってなくてはならない存在になる未来が思い浮かびます。