令和5年度県文化財の指定について答申されました
令和6年2月29日(木曜日)に、新潟県文化財保護審議会(会長 飯島康夫)が開催され、新指定3件の有形文化財を新潟県文化財に指定するよう、新潟県知事へ答申されました。
なお、県文化財の指定は、県報告示(3月下旬予定)をもって正式決定となります。これにより、新潟県指定文化財は395件となります。
有形文化財(工芸品) 経櫃 応永十五年銘・2合
【経櫃(きょうびつ) 応永(おうえい)十五年銘】
- 刀刻箔押しによる銘文を有する木製の経櫃(経文を納める蓋付きの大型の箱)。
- 外面は溜塗(ためぬり)で、蓋と身の各角に唐戸面(からとめん)が施され、内面は黒漆塗りである。
- 美麗で鮮明な銘文を備え、越後国二田大菩薩宮(物部神社)への崇敬の様相を示す貴重な資料である。
有形文化財(考古資料) 山元遺跡出土品・280点
【山元遺跡出土品(やまもといせきしゅつどひん)】
- 国指定史跡山元遺跡から出土した弥生土器、石器、石製品、金属製品、ガラス小玉である。
- 弥生土器は東北系の土器を中心に、西日本系、北陸系、北海道系の土器があり、小型の鉄剣や青銅器の「筒形銅製品」が含まれている。
- 『魏志』倭人伝(ぎしわじんでん)に「倭国乱」と記された社会的緊張の高い情勢下において高地性環濠集落を築いた人々が他地域と様々な関係を取り結んでいたことを物語る資料として学術的価値が高い。
有形民俗文化財 新潟の衣生活資料・546点
【新潟の衣生活資料(にいがたのいせいかつしりょう)】
- 山崎光子(やまざきみつこ)氏(服飾文化史研究者)及び新潟県民俗学会によって採集された衣服に関する生活文化を示す資料群である。
- 仕事着や晴れ着、防寒着、子ども服のほか、アンギン、藤布、シナ布、麻の上布、木綿布の製作用具や織りの素材である糸などから成る。
- 伝統的な生活習慣の中での典型的な衣生活の形態を示し、かつての新潟における衣生活の特色と変遷を示すものとして貴重である。