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みなさんは、長生橋を車で渡っているときに、「他の橋に比べて、すごくゆれる」と不安になったことがありますか?
その「ゆれる」理由について説明します。
「長生橋」長岡ドボク図鑑for Kids のページを読まれた方は、長生橋が「ゲルバートラス橋」という種類の橋であると知っていますね。(「長生橋」長岡ドボク図鑑 for Kidsへ)
もう一度「ゲルバー橋」についておさらいしてみましょう。
ゲルバー橋とは下の図のように、両側の梁(はり)に中央の桁(けた)がつられている橋のことを言います。
長生橋もこの「ゲルバー橋」です。そこで『「長生橋」長岡ドボク図鑑 for Kids』のページにもあった長生橋の図をもう一度見てみましょう。
図の単純(たんじゅん)トラス桁という部分が両側の桁につられた構造(こうぞう)となっています。そしてその吊(つ)り部はヒンジという部品でつながれています。(図のAとB)
ちなみにヒンジとは・・・
ヒンジ(「ちょうつがい」とも言う)のイメージ。
ドア(とびら)などに使われています。橋に使われている部品も仕組みは同じです。
それでは実際の長生橋を見てみましょう。
下の写真にしめすように、長生橋にはところどころ大きなヒンジ(ちょうつがい)がついています。この部分は左右からヒンジでつられた構造となっているため、少しゆれやすくなっています。
みなさんが車に乗っていて、ちょうどこのつり部に止まった時などは、いつもよりゆれを強く感じやすいのです。
長生橋=ゲルバー橋は、わざとゆれやすいところをつくることで力をにがして、安全な橋になっているのです。
ちなみに、同じような形をしていますが、ヒンジのついていない部分もあります。こちらはヒンジがある部分よりはゆれにくくなっています。(実はゆれやすい部分は橋全体の長さの2割ちょっとしかありません。)
ではなぜ長生橋は「ゲルバー橋」でつくられたのでしょうか。
ゲルバー橋は「わざとゆれやすいところをつくることで力をにがしている」と上で説明していますが、「力をにがす」ため、つなぎ目がない一本の橋よりも、長い橋にすることができます。
現代では、一本でつながった長い橋もありますが、それをつくるにはコンピュータでしかとくことができないふくざつな計算が必要です。長生橋がつくられたのは今から80年以上も昔でコンピュータはありません。しかし、ゲルバー橋ならば、人間が計算して長い橋をつくることができたのです。
※本ページは「長生橋構造見学会資料」(作成:長岡工業高等専門学校 井林 康 教授)に基づき作成しました。
所在地:新潟県長岡市草生津
橋長:850.8m
幅員:7.0m
橋梁形式:下路式ゲルバー鋼ワーレントラス橋