新潟県では、令和4年3月に策定した新潟県森林・林業基本戦略に基づき、「伐って、使って、植える」という循環型林業を確立するため、これまでの利用間伐主体の林業から主伐・再造林主体の林業へと大きく舵を切りました。
現状について
○ 森林・林業を取り巻く状況
長らく木材の価格が低迷していましたが、近年、世界的な木材不足などにより、外材から県産材への代替需要が高まっており、本県においても、木材価格が上昇傾向となってきました。
また、脱炭素社会に向けて、県・政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、社会的な要請として、森林における二酸化炭素の吸収に対する期待が高まっているところです。
○ 森林資源の状況
本県の森林は、人工林の7割が45年生以上の利用期に達しており、資源量が充実してきている一方で、今後、高齢化がさらに進むと、成長が衰え、Co2吸収能力が低下する懸念があります。
進むべき方向
伐期を過ぎて高齢化した木を伐採して利用し、木材収入を得ることで再び植栽を行う「伐って、使って、植える」循環型林業を確立するため、これまでの利用間伐主体の林業から、主伐・再造林主体の林業への転換を進めます。
○ 主伐
全国では、素材生産量が増加していますが、その内訳は、間伐材は横ばいである一方で、主伐材の生産量が最近5年間で、135%となり、大きく増加しています。
主伐による木材の生産性は、間伐を大きく上回っており、収益が森林所有者へより還元されていることが考えられます。このことにより、森林所有者の山に対する関心を再び高め、経営意欲の喚起を促すことが期待されます。
再造林の低コスト化
再造林を推進するには、保育経費のうちの再造林の費用負担が大きいことから、低コストな再造林手法について、県内各地でモデルとなる取組を支援し、検証・普及することで県内全域に拡大していきます。
再造林を進めるには、植栽や保育のコストの低減が必須です。
そのためには、主伐時に使用した林業機械を活用して地拵えを行い、連続して再造林を行う一貫作業が有効であるほか、次の方法を組み合わせ、各地域に合致した再造林手法を構築する必要があります。
例:
◆ コンテナ苗の利用
コンテナ苗とは、根巻きを防止できる専用の容器で育苗されます。裸苗に比べて植穴も小さく済むことから、植栽作業の効率化が期待されます。
◆ 低密度植栽
ヘクタール当たりの本数を今までの本数より少なくし、初期費用を抑制し、その後の下刈り作業も坪刈り等により省力化します。
<再造林の支援策>
再造林の実施にあたっては、植栽及び下刈りに掛かる森林所有者の負担を少なくするよう、令和4年度から新規事業により、支援を始めます。
1 事業目的
主伐・再造林による循環型林業を実現し、吸収源対策や森林資源の循環利用を推進するため、低コスト造林手法の普及・定着に向けたモデル的な取組を支援
2 支援内容
低コスト造林手法によるモデル的な再造林に要する経費を支援
(1)低コストな造林手法
(2) 支援内容
造林補助金の上乗せ(造林事業標準単価から算出した標 準経費の16%以内)
3 事業期間
R4年度~R6年度までの3年間
◆ 業界団体の基金<ふるさと越後再造林基金:事務局 新潟県森林組合連合会>についての情報は、下記URLからどうぞ。
<外部リンク>
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