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南魚沼郡湯沢町土樽のお寺瑞祥庵にある、石川雲蝶作の仁王像をご紹介します。
迫力のある彫刻は必見です。
楼門
緑と静けさに囲まれた曹洞宗のお寺、瑞祥庵には一対の仁王像が安置されています。
作者は、幕末から明治初年に越後で才腕を振るった石川雲蝶です。雲蝶は、文化11(1814)年、江戸雑司ヶ谷(現:東京都豊島区)に生まれ、本名は石川安兵衛といいました。30代前半に、「良い酒とノミを終生与える」という条件で、越後入りし、多くの作品を残しました。
無類の酒好きで、女性も大好き。賭けに負けて仕事を引き受けたりするなど破天荒な人柄でしたが、ノミを握れば神業的な作品を手掛けたといいます。
雲蝶の作品は、重厚感と迫力、かと思えばモチーフをやさしく表現する繊細さと鮮やかな彩色。その美しさに魅せられ、思わず作品の前に立ち止まってしまいます。
雲蝶は「日本のミケランジェロ」とも称され、作品は木彫りにとどまらず、石の彫刻や襖絵や漆喰、障子など、どれをとってもダイナミックな世界観が表現されており、150年を経てなお人々を魅了しています。
湯沢町の指定文化財になっています
吽形 像高183.0センチ 阿形 像高173.5センチ
この仁王像、いつ頃の作品か明らかではありませんが、楼門が再建されたのが弘化4(1847)年でそれから数年後であると伝えられており、安政以後の作と推定されているそうです。
阿形
こちらは、阿形(あぎょう)です。
力強い目、大きく開いた口からは今にも「あ!」と聞こえそうな迫力があります。
邪鬼を踏みつける足
台座は邪鬼です。邪鬼を踏みつける足、まるで手の指のように長い足指に目を引かれました。
吽形
こちらが、吽形(うんぎょう)です。
「ん!」と口を真一文字に結んでいます。
大きく反り返った左手が印象的です。
表情がおもしろい邪鬼
吽形に踏みつけられる邪鬼は、切ないような、なんともユニークな表情をしています。
昭和63(1988)年の楼門の改修時に雲蝶の刻銘を探し、仁王像本体には見つからず台座にあったのを確認したそうです。
台座の裏には「三條彫工・石川匠雲蝶」と刻まれています。
どちらの像も、手足にわたり一本一本丁寧に体毛が描き込まれており、赤、青、緑や金など色鮮やかに彩色されているのが特徴的です。
実はこの彩色は、昭和4(1929)年に小千谷の仏師によって修理が行われた際に施されたものだそうです。
雲蝶が本来どのような色使いをしていたのか、想像しながら鑑賞してみるのもよいでしょう。
楼門を後ろから撮影。緑に囲まれています。
楼門を通ると、木々の緑に囲まれ涼しさを感じます。
瑞祥庵の近くには湯沢中里ホタルの里もあり、時期になると周辺ではホタルを見ることもできるそうです。
雲蝶の作品は、越後各地はもとより、魚沼地域に多く残されていますので、この機会に瑞祥庵の仁王像を始め作品巡りをしてみてはいかかでしょうか。
地図で南魚沼の南魚沼の歴史・文化・名所を表示<外部リンク>
湯沢町観光協会 電話025-785-5505
【補足事項】
本ページは新潟県南魚沼地域振興局企画振興部が作成しています。
掲載内容については正確を期すよう努めていますが、情報が不足する点もあります。
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更新履歴
掲載:2014年6月6日
最終更新日:2020年8月20日