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令和3年2月17日(水曜日)に、新潟県文化財保護審議会(会長 橋本博文)が開催され、新指定4件、追加指定1件の有形文化財を新潟県文化財に指定するよう、新潟県教育委員会へ答申しました。
なお、県文化財の指定は、県報告示(3月下旬予定)をもって正式決定となります。これにより、新潟県指定文化財は385件となります。
【絹本著色十二天絵像(けんぽんちゃくしょくじゅうにてんえぞう】
慈眼寺所蔵の軸装の絵像(本来は屏風絵であった可能性がある)。箱書きによると大阪四天王寺の旧蔵品である。
良質な顔料を使用していると考えられ、近畿地方での製作が想定される。
鎌倉時代後期の絵画の様相をよく伝える作品である。
表装等には傷みが多く見られるものの、絵画自体の保存状態は比較的良好であり、十二天が揃って残されていることも貴重である。
柏崎市立博物館寄託。
【絹本著色日現像 絹本著色絵曼荼羅 絹本著色小絵曼荼羅(けんぽんちゃくしょくにちげんぞう けんぽんちゃくしょくえまんだら けんぽんちゃくしょくしょうえまんだら)】
本成寺所蔵軸装の絵画3幅。
日現像は制作年(1501年)・筆者(榶崎景良)・願主(日珠)の判明する肖像画の基準作として価値が高い。
絵曼荼羅・小絵曼荼羅は二仏の上方に宝塔が描かれない京都系の法華宗の特徴を有し、花押や墨書きから日現の所有品と考えられる。
3幅は日現ゆかりの絵画であり、色彩感覚の共通性からいずれも榶崎景良の作と推測される。本成寺八世日現の活動や本成寺の宗教行事を考える上でも貴重である。
【新発田藩資料 (しばたはんしりょう)】
(1)「新発田藩政資料」、(2)「新発田藩御記録」、(3)「新発田藩江戸上屋敷文書」によって構成される極めて充実した史料群である。
(1)は、藩政史料を中核に、藩主家史料等から構成され、年代は元和2年(1616)から明治時代に至る。
(2)は、初代藩主秀勝から第12代直正までの歴代藩主の霊廟記で、各藩主の治績を編年体で記録した藩の公的記録である。
(3)は、2代将軍徳川秀忠から14代家茂までの代々の朱印状の原本等、慶長15年(1610)から近代に至る史料群である。
新発田市所蔵。
【山草荷遺跡出土品(やまそうかいせきしゅつどひん)】
昭和初期に新発田市山草荷遺跡から出土した弥生時代中期後半の土器群で、本県の弥生時代研究における重要な資料として高く評価されてきた。
土器群の特徴は、分布域と製作技術が異なる4系統(東北地方南部、中部高地地方、北陸地方、東北地方の日本海沿岸部)の土器が同じ遺跡から出土するだけではなく、系統の異なる土器製作技術が複合した土器が認められることである。
学史的にも貴重であるとともに、弥生時代中期後半における新潟県域の土器様相や地域性を物語る上で重要な資料である。
新発田市所蔵。
【関山家文書(せきやまけもんじょ)】
平成26年に県有形文化財(古文書)に指定された「関山家文書」(2,885点)への追加指定。
追加指定分には、宝蔵院主の院代も務めた宝海寺関係史料や、文化3年(1806)の「蔵書目録」、地租改正に関わる「関山神社新旧境内粗絵図」など、前回指定文書に含まれていない内容のものや、文化年間の再建関係史料がまとまっており、前回指定文書群を補強する内容になっている。
妙高市所蔵。