令和4年度県文化財の指定等について答申されました
令和5年2月10日(金曜日)に、新潟県文化財保護審議会(会長 飯島康夫)が開催され、新指定3件の有形文化財を新潟県文化財に指定し、選定保存技術の保持者を追加認定するよう、新潟県知事へ答申されました。
なお、県文化財の指定は、県報告示(3月下旬予定)をもって正式決定となります。これにより、新潟県指定文化財は392件となります。
有形文化財(歴史資料) 雪之図・2巻
【雪之図(ゆきのず)】
- 江戸時代末期の長岡城下町の積雪の様子と雪中での人々の暮らしが28の風景と場面で描かれた巻子2巻。
- 江戸時代末期の雪国の風俗・慣習を伝える歴史資料として高い価値がある。
有形文化財(考古資料) 石船戸遺跡出土品・824点
【石船戸遺跡出土品(いしふなとせきしゅつどひん)】
- 縄文時代晩期初頭~前葉を主体とする出土品。
- 土器は精製品と粗製品があり、精製土器は東北地方一円に分布する「亀ヶ岡(かめがおか)式土器」と共通した特徴を持つ。
- 石器は狩猟具・漁労具や採取・加工具、調理具、土製や石製の祭祀具や石製の装身具等がある。
- 亀ヶ岡式土器文化圏の日本海側南端の様相を示す好資料であり、縄文時代晩期の交流・交易を考えるうえで学術的価値が高い。
有形文化財(考古資料) 五千石遺跡出土品・670点
【五千石遺跡出土品(ごせんごくいせきしゅつどひん)】
- 古墳時代時代前期の出土品。
- 鍛冶関連遺物や玉作関連遺物、土器などがある。
- 同一の竪穴建物で炉壁や羽口、椀形鍛冶滓などの鍛冶関連遺物、玉類の未製品や剥片、砥石、敲石などの玉作関連遺物が出土している。
- 炉において羽口を用いた鍛冶という当時の先端技術の伝播やその技術で製作した鉄製工具の玉作への導入を示す貴重な資料であり、広汎な地域間交流を物語るとともに、古墳時代前期の社会情勢を考える上で極めて重要である。
保存技術(選定)屋根葺(木羽葺及びこけら葺) 保持者の追加認定
【屋根葺(木羽葺(こばぶき)及びこけら葺)】
- 本技術は、スギ等から作った薄い手割板を用いて屋根を葺く技術で、木羽(手割板)の上に石を置いて板を固定する石置木羽葺と、竹釘で板を固定するこけら葺の技術で選定されている。
- 追加認定保持者名:三須 真(みす まこと)
- 現選定技術保持者の鈴木弘氏の後継者養成学校で学び、現在は重要文化財渡辺家住宅の保存修理事業において屋根修理を担当。