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毎年3月第1土曜日に浦佐の毘沙門堂・普光寺で行われる日本三大奇祭の1つ。約1200年の歴史を持ち、「国の無形民俗文化財」に指定されている浦佐毘沙門堂裸押合大祭についてご紹介します。上半身裸の男衆が押し合う姿は圧巻です。
毘沙門堂内での押し合いの様子
祭りの起源はおよそ1200年前。
坂之上田村麻呂が毘沙門堂を建て、「国家安穏」「五穀豊穣」「家内安全」を村人と共に祈り、祝宴のなかで歌い踊り士気を鼓舞したことがお祭りの始まりと言われています。
その後、毘沙門堂に祀られている毘沙門天に我先に早く参拝しようと、多くの信者がもみ合い、押合うように。あわせてその年の「除災招福」を願い水行することなどが混じり合って次第に裸になる者が多くなり、今の「裸押合大祭」の形になったそうです。
厳かに執り行われる献火式
大祭の前日には、前夜祭が開催されます。
前夜祭では、毘沙門堂の大護摩修行で焚かれた火を大ローソクに移す献火式が行われます。この火がお祭りで使用される大ローソクの元火となります。
水行を行う多聞青年団
大ローソク献火式のあとは、大祭行事の全体を取り仕切る浦佐多聞青年団による水行が行われます。団員は境内にある『うがい鉢』と呼ばれる水鉢に入ります。そのまま肩まで水に浸かり、真言を3回唱えて身を清めます。
にぎやかで活気ある行事が多い大祭と比べ、前夜祭は、厳かな雰囲気で、見学後は身が引き締まる気持ちになりました。
前夜祭では大祭当日参拝できない方のために、福餅撒与(さんよ)も行われます。ぜひ前夜祭にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
屋根の上から投げられる福餅に授かろうと境内に集まる参拝者
昼の行事では講中や餅会の人たちよって福餅が撒(ま)かれる福餅撒与(さんよ)が5回、行われます。福餅を授かると1年間「除災招福」とされ、境内に集まった参拝者の目は真剣そのもの。
福餅の取り合いが激しくなる場合もあるので福餅撒与とは別に、お年寄り、子ども達のために福餅が配られる福餅配与(はいよ)も行われます。
南魚沼地域振興局も職員有志で大ローソクを奉納しています
お祭りに来てまず驚くことが、ローソクの大きさ。左の写真を見てもわかるように大人でも抱えるのがやっとの大きさです。
浦佐の裸押合大祭ではこの大ローソクを使用することから別名「大ローソク祭」とも呼ばれています。町のろうそく店ではこのお祭りのために100本近くの大ローソクが作られるそうです。
この大きなローソクを抱え、水行参加者は裸押合いの毘沙門堂内へ向かいます。
堂内までの道を練り歩く水行参加者
一般水行を行う団体は、はんたこ、さらし姿に着替え、露店が並ぶ道路の各集合場所で行事の開始を待ちます。
多聞青年団の合図を受けたあとは、「さんよー、さんよ!」と声高らかに毘沙門堂へ向けて出発します。
参加者は4人1組で肩や腕を組み、普光寺境内太子堂前まで練り歩きます。
水行を終えた参加者は、いよいよ毘沙門堂内に入り押し合いに参加します。
押し合いが行われている堂内の様子
内陣の上にいる御衣姿の青年団員は「まっくぞーまくぞ」の掛け声とともに木札や福餅を堂内に投げます。
押合い参加者たちは投げられる福物を取ろうと手をあげています。
内陣の上に立っている青年団の中央真下を位置取るため、押合い参加者は必死に押し合います。堂内中央正面から引き上げられた人だけが内陣に上がり毘沙門天に参拝できるのです。
熱気あふれる押合いの雰囲気をぜひ味わっていただきたい
押合う人たちの活気、迫力にただただ圧倒されてしまいました。大祭のことをよく知らない方でも堂内で男たちが押し合う姿に胸が熱くなるのではないでしょうか。
記事の中では語れませんでしたが、取材を通して大祭全体を取り仕切る多聞青年団の団員をはじめ、多くの関係者が一年間、情熱と責任感を持ってこの大祭の準備・運営をしていることを知りました。
地域全体が一丸となって盛り上げるこのお祭りの雰囲気をぜひ足を運んで体感していただければと思います。
※大祭前後は、交通規制や駐車場台数などに変更がある場合があります。詳しくは下記にお問い合わせください。
大和観光協会 電話025-777-3054
【補足事項】
本ページは新潟県南魚沼地域振興局企画振興部が作成しています。
掲載内容については正確を期すよう努めていますが、情報が不足する点もあります。
ご利用の詳細及び最新情報につきましては直接、施設管理者(上記問い合わせ先)へお問い合わせ願います。
更新履歴
掲載:2018年4月9日
最終更新日:2020年6月15日