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雪国南魚沼は「白い農産品」の宝庫です。精米したての「魚沼コシヒカリ」、冷涼な地域で育つ「えのきたけ」、花蕾(からい)※1がギュッと詰まってコリコリシャキシャキした食感がやみつきになる白い宝石「八色カリフラワー」。
年々生産量も増え、生産地域も拡大しつつある八色カリフラワーについて、その魅力や特徴についてご紹介していきましょう。
※1 花の蕾が密集してできたもの
八色カリフラワーの収穫のピークは10月頃。早い物では9月頃から出荷が始まり、雪が降る前の11月頃に収穫を終えます。形はブロッコリーに似ていますが、その見た目は真っ白い宝石のように美しいアブラナ科の野菜です。
「プランターでも育てられる身近な食材ですが、特徴でもある『白さ』を出すには、ひと手間掛かるんですよ。」そう話すのは八色カリフラワー部会の部会長を務める上村和信さん。
実はカリフラワーは直射日光に当たると花蕾が着色し、白さが失われてしまいます。さらに茎部分の成長も進み、特徴であるシャキシャキした食感を生み出す花蕾の「ち密さ」も無くなってしまうのです。
日光による影響を抑えるために欠かせない作業を「葉かけ」と言います。「花蕾を包むように外側の葉を内側へ折り畳んで日光と冷えから守っているんです。これを一つ一つ手作業で行っています。」と上村さん。
このひと手間がカリフラワーの白さの秘訣です。紅葉彩る南魚沼の秋に出荷を控え、定植から収穫適期の見極めに至るまで、指導員や先輩農家の方々が丁寧に指導をしていることもあり、年々若手の栽培農家が増えています。
「大きな設備投資なく始めることができ、人手が必要になる収穫時期が米やスイカの栽培時期と重ならなくて良い。今は20軒以上の農家が『八色カリフラワー』のブランド名で出荷しています。出荷用の箱にもこだわって、真っ白いダンボールに詰めているので、それが目印ですね。」
整然と並ぶ気品溢れるカリフラワー。これらの白い宝石は、その「白さ」によって等級分けされ、より白いカリフラワーはA品として出荷されます。真っ白なカリフラワーを出荷するため、知恵と工夫を凝らし一つ一つ丁寧に栽培されています。
「早生(わせ)のカリフラワー品種は定植から45日で育ちますが、60日ほどじっくり育てたカリフラワーは重さや花蕾の密度が良いですね。花蕾の部分がギュッとして、噛んだ時に歯ごたえがあるのが食感としての魅力だと思います。」
このギュッとした密度が食感の魅力
南魚沼のカリフラワーの旬は10~11月頃。その白さと高級感は、スーパーや直売所でもひときわ目を惹くでしょう。
「白さを強みにして市場出荷していますが、中には着色したものや茎が成長して花蕾に隙間ができているカリフラワーも多くあります。ただ、誤解して欲しくないのは“白いものだけ”が美味しいという事ではないのです。」
日光の光で紫がかったカリフラワーをよく見てみると、花蕾に隙間が空いているのが分かります。白く、ち密なものは茎まで全て白いのに対して、差し込んだ光で光合成した茎は少し成長して緑色になっていました。
三つのカリフラワーを比べてみましょう
まずは少し成長してしまったものを切ります
「このくらいの色(1枚目写真中央)だと、茹でたら白くなります。A品として出すカリフラワーよりは少し安価なので使って頂いている飲食店さんも多いです。料理によっては茎に甘みがのって味が良いんですよ。」
切ってみると、茎の部分は緑色になっている
カリフラワーはアブラナ科の野菜。ブロッコリーや南魚沼特産の大崎菜の性質を持っており、冷涼な気候で昼夜の寒暖差がある南魚沼では「茎の甘さ」を楽しむことも出来るのだそうです。
「農家としては、白いカリフラワーは手が掛かっているから食べてもらいたいけど、B品や茎が緑になった“はね出し”も甘くて美味しい。直売所では販売しているので、そういった違いも楽しんでもらえたら嬉しいですね。」
A品のカリフラワーは密度が高い
見比べると違いは一目瞭然
料理の見た目を整えるのに最適な真っ白いカリフラワーですが、産地ならではの食味を楽しむことも、地元で食べる醍醐味と言えるでしょう。
カリフラワーと言えばピクルスやバーニャカウダーでも美味しく食べられますが、一番美味しく食べるなら「茹で」にこだわった方が良いと話す上村さん。
「塩を入れて沸騰した鍋にバラしたカリフラワーを入れて2分半から3分茹でる。その時間よりも短くても長くてもダメだと思います。私はかためが好きなので、2分40秒くらい茹でたら水にサッとくぐらせたくらいの、まだ温かいカリフラワーを食べますね。」ちなみに、上村さんは醤油とマヨネーズにつけて食べるのだそうです。
カリフラワーの味を左右する“茹で加減”。自分好みの“茹で加減”を見つけるのも楽しみのひとつになるかもしれないですね。
「ピクルスにするなら10秒くらい茹でて漬ければいいですね。浅漬けなら一晩漬ければ食べられます。あとは、きんぴらにして食べたりしますよ。カリフラワーをもっと身近に思ってもらえるように頑張りたいです。」
カリフラワーの魅力や食べ方を知ることで食材との距離も縮まります。今までカリフラワーにあまり馴染みがないという方も、八色カリフラワーを是非お試しください。
取材日:2020年11月17日
八色カリフラワー
9月上旬~11月下旬 |
サクッ!フワッ!シャキッ!の食感が楽しい♪
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お好みのゆで加減でスッキリ酢の物! |
あぐりぱーく八色 住所:新潟県南魚沼市浦佐5147-1 あぐりぱーく八色ホームページ<外部リンク> |