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洋食に使われるイメージが強いズッキーニ。湯沢町や南魚沼市の塩沢地区では、田んぼの転作作物として長年ズッキーニが栽培されており、県内でも上位の出荷量を誇ります。
近年では人気も高まり、新たな特産品としての可能性が注目されている南魚沼のズッキーニ。今回は、南魚沼でズッキーニを育てる若手女性農業者、大治郎農園の荒川治美さんを訪ねました。
初夏の田んぼに囲まれたズッキーニの畑。茎に実った立派なズッキーニは、スーパーで見かけるものとはどことなく違う印象を受けました。
「ズッキーニは見た目がキュウリに似ていますが、実はかぼちゃの仲間なんですよ。ただ、かぼちゃとは違ってつるは伸びませんし、実も未熟果(熟す前の若い実)の状態で収穫します。」
地面の近くに実るズッキーニは、皮が傷つきやすく、地面や葉にこすれた部分は変色してしまいます。露地栽培できる作物なので、ビニールハウスなどの施設は必要ありませんが、強風に弱く、また、実の成長がとても早いので、朝と夕方の1日2回収穫しなければなりません。
「朝見た時にはまだ小さくて規格外のサイズだったのに、夕方には2Lサイズになっていることもありますよ。市場では傷のないMサイズが一番高く取引されるので、そういった部分で収穫作業には手がかかりますね。」
サイズは左から2L、L、M。一番右は規格外サイズ。
ズッキーニは湿害に弱く、高温が続くと生育が弱まり「うどんこ病」や「疫病」などの病気にかかりやすくなります。また、受粉不良を起こしやすいため、確実に受粉させるためには手作業で授粉させなければなりません。
「ある程度放っておいても育ちますし、連作障害も出にくいので農家にとっては育てやすい作物だと思います。しかし、気候の影響を受けやすく、日々の出荷量もまだまだ安定していないので飲食店に直接卸すということはできていません。」
時期によっては市場に多く出回り価格が安くなってしまったり、強風の影響で傷がつき、泣く泣く廃棄することもあるそうです。
それでも荒川さんがズッキーニの栽培に取り組むのは「自分が食べたい、美味しいと思えるものを作りたい」という農業に対する思いがあるからです。大治郎農園では、家族の健康のために減農薬栽培に長年取り組んできました。子どもの頃からそんな両親の手伝いをしていた荒川さんには、目的を持って農業に取り組む姿勢が引き継がれていました。
多くの人にズッキーニの魅力を知ってもらいたいと、荒川さんは食味や調理法についても話してくれました。
「油との相性が良いので、炒め物や天ぷらが美味しいですよ。味噌汁に入れたり、ピクルスや浅漬けにも使います。和食なら煮物や醤油漬けも。どんな料理にも合うので『これ』と決めきれないですが、いろいろなレシピを試して欲しいです。」
ズッキーニの魅力は、クセのなさと柔らかでジューシーな食感。また、油と一緒に調理することで脂溶性のβカロテンの吸収が促進され、免疫力アップや代謝促進にもつながります。
繊細で柔らかい皮を持つズッキーニは、皮を剥かずに調理ができ、火が通りやすいという特徴があります。近年では人気が高まり、フランス料理やイタリア料理だけではなく、中華・和食にも用いられ、汎用性のある食材として重宝されています。
「ピクルスにする時はパプリカなどと合わせると色味も良くなりますよ。」と荒川さん。ズッキーニの調理法やレシピをもっと多くの人に知ってもらうことができれば、消費量も増えるはずです。
南魚沼の夏野菜の定番となりつつあるズッキーニ。旬の時期である7月にはスーパーや直売所で見かけることも多いでしょう。きっと手頃な価格で購入できるはずです。長野県などの有名産地に比べれば、まだまだ出荷量も少ないですが、この地域の主要園芸品目として栽培が行われています。みなさんもズッキーニを使ったレシピに挑戦してみませんか?
取材日:2021年7月6日
ズッキーニ
6月中旬~10月中旬 |
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四季味わい館(道の駅南魚沼 雪あかり) 住所:新潟県南魚沼市下一日市855 「四季味わい館」ホームページ<外部リンク> |