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新潟県で発生した大規模な地すべり
小泊地すべり
災害発生直後の状況(1963年3月)
位置:新潟県糸魚川市(旧:西頸城郡能生町)小泊
(138゜00’E、37゜06’N)
流出土砂により湾内に押し出された蒸気機関車
規模、被災状況:旧国鉄白山トンネル(旧能生駅より2km西)坑口一帯の山腹斜面が斜面長300m、幅170mにわたって崩壊して15万立法メートルの土砂が流出し、走行中の貨物列車を転覆させ、小泊集落の人家31戸と国道200mが埋没して死傷者25名を数える大惨事となった。
地質:新第三紀名立層泥岩(東側)と安山岩熔岩(西側)からなっている。地層傾斜北西15~20゜。
発生機構、形態:能生町の北陸線沿いの一帯は、昔からの地すべり頻発地域で、災害を多発してきた。この災害は1963年3月16日、突如発生し、瞬時に土塊は湾内までおしだした。積雪のため前兆を発見することができず大惨事となった。発生機構として(1)風化岩~基岩に著しい風化粘土化進行部を介在している。(2)段丘を構成する凝灰岩、安山岩が地下水供給源となり、下方ブロックの崩積土及び風化岩と基岩との境界付近に、地下水が集中的に賦存している等の発生原因が考えられる。
対策工法:上述の地すべり機構から、ブロック上・中部で水抜ボーリング工および集水井工を、また下部に杭工を実施した。
新潟県内のおもな地すべり地帯 |
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