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新潟県で発生した大規模な地すべり
蓬平地すべり
蓬平地すべり
位置:新潟県長岡市蓬平町字五反田
(138゜54’E、37゜22’N)
規模:長さ約250m・幅約130m・深さ約15m・面積約3ha・推定移動土塊量50万立法メートル
被災状況:1984年5月15日に猿倉岳西側の末端斜面(平均15゜~20゜の傾斜)で亀裂が発生、その後亀裂は除々に拡大し、5月17日19時30分頃滑落崖の高さ約20m、最大移動量40~50mの地すべりが発生した。
地すべりによる被害:倒壊家屋(住宅)6戸、同(非住家)3戸、半壊(住家)1戸、市道280m・農道100m流失、砂防指定河川蓬平川230m埋塞。
地質:県下で最大規模の「東山背斜(北北東一南南西)」の西部に位置し、この摺曲構造は西翼では急で東翼では比較的緩い非対象構造を有している。付近一帯は、新第三紀中新世椎谷層相当の暗灰色泥岩と灰白色凝灰質砂岩の互層からなっている。また地すべり東側の猿倉岳一帝は安山岩質火山破砕岩により構成されており、地すべり冠頭部は異なる岩相の境界部にあたっていた。
発生機構、形態:地すべり発生の要因として透水性の良い安の破砕及び脆弱化、昭和59年豪雪による大量の融雪水の供給が考えられる。地すべり形態は、受け盤型の土塊移動~末端流動型である。
対策工法:地すべり地頭部や滑落崖に多量賦存する地下水排除工と、杭打工を組み合わせた対策工により、現在は安定している。同地区は保全事業による法面保護・管理道路等の設置後、長岡市と地域住民によりテニスコート・芝生広場等を備えた公園として整備され、地域の憩いの場として甦えることになっている。また被災ブロックだけでなく地すべり防止区域全体にっいて調査が進められ、抑制工を中心とした対策工が進められている。
新潟県内のおもな地すべり地帯 |
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