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新潟県で発生した大規模な地すべり
よしお沢地すべり
よしお沢地すべり
位置:新潟県妙高市(旧:新井市)長沢地内
(138゜19’E、36゜55’N)
規模:長さ約250m、幅約80m、面積約2ha、深さ最大約20m、推定移動土塊量30万立法メートル
被災状況:地すべりは1978年4月21日午前5時30分頃発生した。長沢川を約100m間にわたって埋塞し、国道292号線を冠水させ、延長約100m間が2ヶ月間通行不能となった。地すべり地内を横断していた東矢首尾用水は、延長約100mにわたり寸断された。また長野県の豊倉地区約200戸は、同県内の土砂崩れとこの地すべりのため孤立状態となった。その後、1979年12月23日にも前回と同規模の地すべり が発生し同様の被害をもたらした。
地質:基盤は、新第三紀中新世の寺泊層の相当する黒色泥岩と火山岩類からなる。地すべり地内には主に泥岩が分布し、地区の南側斜面に安山岩質溶岩と火山角磔岩が分布する。地層の走向傾斜はN50゜~80゜W、20゜Nである。
発生機構、形態:地すべりは尾根地形を割って発生した岩盤地すべりで、すべり面には明瞭なすべり面粘土が存在し、地すべり崩積土は主にN値50以上の泥岩塊であった。
発生原因は、地区南側斜面に分布する安山岩類が透水層となり地下水を供給し、泥岩の風化劣化を促しせん断強度を低下させたためだと考えられ、地下水による間隙水圧の上昇による再活動も懸念された。
対策工法:対策工法は排土工、杭工および間隙水圧を低下させる集水井工を主体に施工された。現在孔内傾斜計による観測では変状はなく、安定している。
新潟県内のおもな地すべり地帯 |